WALK あばうと 日本4,000山

「新日本山岳誌」掲載の約4000山が修行の地。 めざせ山仙人!
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誰とも会わない岐阜県の山(2)―三尾山(1,107m)

4月25日「誰とも会わない岐阜県の山」、北山の次は、三尾山へ。

三尾山は、標高1,107m、山県市と関市にまたがる山で、2万5千分の1地形図には三角点の記号だけで山名がない。

円原川の源流、三尾谷の流れ出る山で、山麓には三尾という集落があり、点の記では三尾山(みつおさん)となっている。

 

この山を有名にしたのは、生態学者にして登山家でもある、今西錦司(1902-1992年)でありましょう。

美濃地方の奥山を愛し、岐阜大学学長(1967〜1973年)になり、1971年日本山岳会岐阜支部を創設、「岐阜県山岳界」を作り上げたような存在で、1973年から日本山岳会会長も務めている。

この山は、『続ぎふ百山』(1993年刊)に掲載され、その中で、『ぎふ百山』(1975年刊)の山名リストを今西に見せたところ、「『岐阜にはまだこんなにええ山はいくつもある。こんな山が抜けているようではあかんな。』そういって、十二、三の山の名を指摘されたことがある。その中の一つに、この山の名があった。」と記されている、いわくつきの山であります。

今西はこの山に、ヒマラヤの無名峰に名前を付けるように、「サンノーの高(たかみ)」と名付けている。

『続ぎふ百山』は、「武儀郡板取村と山県郡美山町の境にそびえる鋭鋒で、二等三角点の山である。板取村からは深い谷が邪魔して見えず、山名も判然としないが、美山町の三尾あたりでは、『松谷山』『むね山』と呼んでいる。板取の松谷洞の源流にあるところからきた山名で、この方が自然の呼び名だと思うが、あえて今西先生の命名された山名をとったことを、地元の方々にお断りしておきたい。」としている。

色々気苦労の多そうないわれのある、その「ええ山」に、いざ実登 (ロ。ロ)/オウ

 

三尾谷を今は廃村となった三尾集落を越え、地形図の554m地点まで車が入る。

美濃地方長良川流域では数少ない国有林で、「円原国有林」の標識の前に駐車スペースがある。

20200425三尾山1.jpg

電源開発の送電線鉄塔が稜線の西側を通っており、途中までその巡視路を使うことができる。

最初に出合う堰堤は、梯子で乗り越す。

20200425三尾山2.jpg

二つ目の堰堤は、右側に巻道がある。その上に標識があり、巡視路は左右に分かれる。

71の鉄塔をめざし、谷沿いの右側を直進する。

20200425三尾山3.jpg

周辺は国有林の植林地だが、三尾谷沿いは、芽吹きの始まった若い渓畔林で明るい。

ほとんど涸れ沢になったあたりで振り向くようにして巡視路は斜面を上がっていく。

グレーチングの渡り板が目印。

20200425三尾山4.jpg

よく踏まれた巡視路は、北山のように倒木もなく、植林地の斜面を巻いていくと、71鉄塔に出合う。

開けているのは、南方向で、見えるのは、三角点調査で行った「円原」という三等三角点のある山らしい。

濃尾平野も見えないし、北側は、名前のない近くの山に阻まれて、めぼしい山は見えない。

ここで、72鉄塔をめざす巡視路(黄色)を進んでいる先行事例が多いけど、尾根を観察すると、国有林管理の刈り払いがある。

こちら(赤色)で進んでみるとしましょう。

20200425三尾山5.jpg

急だけれど、明確な尾根で、刈り払いと、赤テープが付けられ、迷うことはない。

ただし、ところどころ、丈の高いササがかぶる箇所がある。

20200425三尾山6.jpg

途中はほとんどがヒノキの植林で、展望はきかない。

一か所だけコブシなど自然林の生えている場所があり、山頂方向が透かして見えた。

北山と違い、全山植林で、カタクリなどの花もない。

植物的には、登山開始からしばらくの若い渓畔林と、このへんで見たコブシくらいが見どころと言えば見どころだろうか。

20200425三尾山7.jpg

300m分くらい標高を稼いで、ポンと稜線上の、御料局の四隅を三角形に切り落とした「宮」マークのある標柱の所に出る。

稜線は、巡視路としてよく踏まれ、しばらくは快調。山頂が近づくと、ササが被って、ヤブ漕ぎが必要となる。

20200425三尾山8.jpg

登山開始2時間あまりで、二等三角点の山頂に出る。

ヒノキの幹に「サンノー高」の山名板が付けられている。

今西センセイは、サンノー「の」高、と名付けたんですが。。

また、別の幹に「王」の赤い標識があるのは、東側斜面が王子製紙系の土地だからで、いったん皆伐した後、植林がされている。

うーん、どこが「ええ山」なんだろう (?_?)>

20200425三尾山9.jpg

往路を、サクサク引き返し、林道沿いの旧三尾集落の跡に立ち寄る。

このあたりは、浄土真宗の信仰の篤かった土地らしく、文久七年の年号の刻まれた「南無阿弥陀仏」の石碑が残され、今も花が手向けられている。

今はなき三尾の人びとが呼んでいた松谷山、あるいは点の記に記された集落の名にちなむ三尾山、という山名を捨て、「サンノーの高」という新出来の名前を使う理由はあるんだろうか。。

20200425三尾山10.jpg

なかなか興味深い山行を、最後は、円原川の伏流水で締めくくりましょう。

 

円原川は、三尾谷など源流部の流れを集め、いったん石灰岩の川床を伏流し、ろ過されふたたび湧水となって流れ出る。

水は、淡い青色に染まる以外は、存在を感じさせないほどの透明度で、清流を誇る岐阜県でも、最も美しい川だと思う。

20200425三尾山11.jpg

<登山記録>  (―:車、…:徒歩)

2020年4月25日(土) 快晴 単独行

(西洞)―三尾谷554m地点(駐車)12:40…71鉄塔13:25…(尾根作業道)…稜線14:20…三尾山山頂14:45〜14:55…71鉄塔15:45…554m地点16:20―(自宅へ直帰)

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| ぼっち | 美濃百山 | 06:43 | comments(0) | - | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!









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