WALK あばうと 日本4,000山

「新日本山岳誌」掲載の約4000山が修行の地。 めざせ山仙人!
<< 熊本の山旅(3)―天草 次郎丸嶽・太郎丸嶽 | main | 飛騨を代表する展望の山―猪臥山(1,519m) >>
熊本の山旅(4)―天竺へ

天草の上島から天草瀬戸大橋を渡って下島へ。

下島は、淡路島に次ぐ面積があり、その最高峰が標高538mの天竺であります。

日本国と並んで、スケールのでかい「山かどうかわからない系」珍名の山と言えましょう。

20191117天竺9.jpg

さすが淡路島に次ぐだけあって、天竺への山道は奥深く、道幅狭く、運転手の連れ合いは肝を冷やしておりました。

20191117天竺1.jpg

山の斜面は、心細いのに、山上はうららかに開けていたりする。

集落の分岐にお釈迦さまの導く「天竺登山道」の標識を発見。

「天竺まで2.9辧廚辰討里、なかなか。

20191117天竺21.jpg

林道の終点に天竺への登山口があった。

入山料寸志を駐車場の箱に入れて、登山開始。

20191117天竺3.jpg

山上の農場から、スギ林に入っていく。

20191117天竺4.jpg

林道を約15分。見えてきました、天竺。

20191117天竺5.jpg

山頂には、三等三角点があり、さずが入山料をとるだけあって、刈り払われて見晴らしもまずまずいい。

ただし、そこにお釈迦さまはおられず、「天竺神社」の祠があって、ちょっと混乱。。

20191117天竺6.jpg

山頂直下に広場があり、「天竺へようこそ」という案内板がある。どれどれ。

「1648年、天草の初代代官鈴木重成は天草二大巨刹の一つ東光寺住職に代官の師「中華珪法」を招きました。珪法は天草島原の乱後の荒廃した天草を仏の教えで救済しようと一計を案じます。仏典を探しに苦難を乗り越えて天竺まで旅をした三蔵法師の物語『西遊記』を天草の町になぞらえて島民に仏の教えを易しく説きました。天草の東向寺を中国の長安の都として定め、西の方角にある下島最高峰の山を天竺に位置付けたのです。」

ううむ、珍名の山で、これほど説得力のあるいわれが即座に分かるのは初めてかも。。

案内板の横には、「しま山100選」という看板もあった。これは初めて知った。帰ったら調べてみよう。

 

以上、熊本の山旅は無事終了。おまけに(5)は、OFF TIME (ロ。ロ)/

20191117天竺7.jpg

<追記1>

「ようこそ天竺へ」の案内板から代官鈴木重成について調べてみたところ、そこからは読み取れない物語が浮かび上がった。

・鈴木重成は、三河の出身の旗本で、天草島原の乱の折には鉄砲隊として参戦し戦いのありさまを身をもって知っていた。

 彼は代官になると、乱の背景ともなった、石高を実質の倍に見せかけた唐津藩主の過酷な収奪で疲弊しきった天草の人びとの救済に懸命に取り組んだ。

・そして、その兄鈴木正三は、旗本から出家した宗教家で(当時ご法度だったが、徳川秀忠がそれを許すほどの人物だった)、代表作の一つである「万民徳用」は、仮名書きのやさしい和文で「人々の心のもち方が自由になり、人々が心の世界の中で自由に振る舞うことができるようになるためならば、南無阿弥陀仏と念仏を唱えるのもよし、座禅をしてみるのもよし、さらには、そんなことは何もしなくても、毎日自分に与えられたそれぞれの仕事に精一杯打ち込んで働いていけば、それが人間として完成していくことになる」と、民衆の日常に目を向け、宗教・禅・念仏にとらわれずに、世俗的な職業に励むこと自体が、仏教修行であると説いた。

・その正三は、重成の天草での取り組みを支え、住民の心を立て直すには寺院と神社を復活させることだと献策して、三十数ヵ所の寺社を再興させ、山口市瑠璃光寺の中華珪法禅師を開山として招き、東向寺などを開いた。

・重成は、石高の半減を幕府に献策し、受け入れなかったため、切腹したとの説がある(病死説もある)。

・いずれにしても、重成の跡を継いだ養子の重辰(兄正三の実子)の時に、石高の半減が認められた。

・そのようなことから、名代官鈴木重成と正三・重辰は、鈴木神社に神としてまつられ、今も「鈴木さま」と慕われている。

珍名の山天竺の背景には、そのような天草の歴史物語が秘められているのでありました。

 

<追記2>

しま山百選」は、2016年に公益財団法人日本離島センター主催で選ばれた離島の百名山なんだそう。

でも、そのリストを見ていると何かピンとこない。

・天草諸島では、「九州百名山」の次郎丸嶽(397m)、倉岳(682m)でなく、天竺(532m)が入っている。

・周防大島では、「中国百名山」の嘉納山(685m)でなく、嵩山(618m)が入っている。

・石垣島では、沖縄県の最高峰於茂登岳(526m)でなく、野底岳(282m)が入っている。

・佐渡島では、日本300名山の島の最高峰金北山(1,172m)ではなく、ドンデン山(尻立山)(940m)が入っている。

関係市町村から推薦された候補をもとに、眺望や資源、達成感、地域バランス等を考慮して「いかにも島らしい」と感じられる山を、選定会議の合議によって選定したとあるが、何か不透明感を感じてしまう。

 

| ぼっち | 珍名の山 | 21:48 | comments(0) | trackbacks(0) | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!









トラックバック機能は終了しました。
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< August 2020 >>
+ SELECTED ENTRIES