WALK あばうと 日本4,000山

「新日本山岳誌」掲載の約4000山が修行の地。 めざせ山仙人!
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飛騨の山岳探訪(4)―オゾウゾ山(1,085m)

オゾウゾ山(1.085m)は、白川郷のある庄川の川筋で岐阜県最北の山。

地形図でカタカナ書きされる一風変わった山名が、珍名の山ハンターぼっちをかりたてる。

山名の由来は不明ながら、一帯には、ゾウゾウ山や、タカンボウ山、マルツンボリ山、ソウレ山などカタカナ書きの山が集中しており、これらの山名については、「意味」より先に、「響き」のイメージが先行したのかもしれない。

 

「ぎふ百山」のひとつで、同書刊行の1975年当時は、白川村中心部からも離れた豪雪僻遠の国境の山だった。

民俗学的な記述の多い同書では、オゾウゾ山について、関所にまつわる陰惨なイメージを強調している。

 

しかし、40年あまりの年月で周辺の環境は激変、1995年に白川郷がユネスコの世界遺産になり、2002年東海北陸自動車道の白川郷I.C.ができ、名古屋や北陸から日帰りできるようになり、最近は海外からの観光客も多い。

また、1961年に御母衣ダムが、1999年には北陸と東海地方を結ぶ超高圧送電線が運用されている。

おかげで、オゾウゾ山自体は今も登山道がないものの、取付点まで白川郷I.C.から国道158号線を約20分、さらに標高約800m地点まで送電線の巡視路が利用でき、中京地方、関西地方からでも日帰りが可能と、登山環境は大きく変わっている。

この庄川筋岐阜県最北の珍名の山に、残雪期の終わりが極端に早そうなので、休暇を取って、いざ訪問 (ロ。ロ)/オウ

 

国道158号線の、岐阜・富山県境一帯は、両岸の山岳に押されるように、流れが極端に蛇行しているため、橋を渡るたび、岐阜ー富山―岐阜ー富山と目まぐるしく県が行ったり来たりする。

合掌大橋展望所に駐車、ザックを背負ってオゾウゾ山の尾根下にある越前トンネルをくぐる。

20190319合掌大橋展望所.jpg

オゾウゾ山の山頂に向かう尾根には、関西電力の送電鉄塔が2基、中部電力の超高圧の送電鉄塔が2基立っていて、越前トンネル北出口の東側(庄川側)から送電線の巡視路が通じている。

積雪のため、入口が分かりにくかったので、往路は一番下の送電鉄塔をめがけ、直登する。

20190319越前トンネル.jpg

例年だと3月は残雪がたっぷりあるはずの尾根も、今年は雪は消え、送電線巡視路が見えている。

落ち葉で滑りそうな急斜面も、巡視路の階段のおかげで、安心して進んでいくことができる。

景観はともかく、送電線巡視路は、現代の杣道(そまみち)ですな。。

20190319送電線巡視路.jpg

標高約400mの越前トンネル出口から、約800mの最上部の鉄塔まで登ると、関西電力の成出ダム越しに、岐阜県最北の集落小白川を見下ろすことができる。

このあたりで、わかんを装着。

20190319送電線から下を見下ろす.jpg

送電鉄塔最上部から、標高差約200m分くらいが一番苦しいところ。

周りのブナの純林になぐさめられる。

20190319ブナ.jpg

振り返ると、おお! 大滝山(1,498m)、人形山(1,726m)、三ヶ辻山(1,764m)が並んでそびえ立つ。

山馬鹿、一気に元気回復。

20190319人形山.jpg

標高980mあたりで、尾根はこれまでの南西から、南へと方向を変え、山頂が近くなる。

山頂からの展望はどうなのか、気になるところ。

20190319山頂直下.jpg

登山口から約3時間で、オゾウゾ山山頂に到着。

まず、目を奪われるのは、西側のダム湖:桂湖をはさんで向かい合う大笠山(1,822m)とそれに続く笈ヶ岳(1,841m)の雄姿。

桂湖の位置に、かつては、桂という集落があり、オゾウゾ山を挟んで東側には加須良の集落があった。

加須良川に沿う両集落をつなぐ道は、冬は雪崩のため使えず、桂は、雪に閉ざされる。

急病人が出たようなときは、雪崩を避け、オゾウゾ山の尾根を越えて運んだそう。

分校教師だった寺崎満雄氏著の「さよなら桂」(桂書房)には、そんな厳しい環境ながら平和に暮らしていた桂の集落の人々の、離村直前の姿が、愛惜をもって描かれている。

20190319オゾウゾ山山頂から大笠山.jpg

オゾウゾ山は、東を庄川、北と西をその支流の境川、南を同じく加須良川に取り囲まれているので展望は360度。

ただし、標高が1,085mと、あまり高くないので、残念ながら白山方向は、南側の1,203m峰に遮られている。

猿ヶ馬場山、三方岩岳や野谷荘司が何とか顔を出している。

20190319南側.jpg

残雪期の急登の山は、下山はいたって快適。

わかんの後を追いかけるように雪が転がって、みごとな輪を作る。

20190319雪の輪.jpg

1時間半弱で、越前トンネル出口に到着、オゾウゾ山の全容をみたくて、小白川集落に立ち寄る。

オゾウゾ山は、国境の村の行く手を塞いでそびえている。

「おぞい・うぞい」は、富山弁でどちらも、良くない、汚い、みすぼらしい、劣っている、情けない、貧相、悪いといったネガティブな意味を持ち、飛騨弁でも、おぞいは、悪い、そまつだ、いかがわしい、ひどい、よくないといった意味で使われる。

直接の由来ではないにしても、この山に向か合う人々は、心を塞ぐような響きを感じたことでしょう。

 

そんな、歴史を背景にしつつも、現在は、ブナの純林に包まれ、展望良好で、中部・関西・北陸方面から日帰りもできる 残雪期入門の山として、決しておぞくない魅力ある山でありました。

20190319オゾウゾ山(小白川から).jpg

<登山記録> (―:車、…:徒歩)  (↓画像クリックで拡大)

2019年3月19日(火) 曇  単独行

自宅4:30―東海北陸自動車道白川郷I.C.―国道158号線合掌大橋展望所(駐車)7:30…越前トンネル北出口7:35…関西電力下部鉄塔8:10…越美幹線最上部鉄塔9:00…オゾウゾ山山頂9:40〜10:15…最上部鉄塔11:40…合掌大橋展望所12:35―(ゾウゾウ山へ)

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| ぼっち | 「岐阜百名山」勝手に選定委員会 | 08:50 | comments(0) | trackbacks(0) | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!









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