WALK あばうと 日本4,000山

「新日本山岳誌」掲載の約4000山が修行の地。 めざせ山仙人!
<< 小津権現山(1,158m)で積雪期講習 | main | 日本百名山霧ケ峰車山と珍名の山ガボッチョ >>
「飛騨の山岳」について事前勉強

今年の登山テーマ「飛騨の山岳を知ろう」に取り組むにあたり、まずは「飛騨の山岳」について事前勉強。

 

1. 飛騨地方について

  岐阜県飛騨地方は、7世紀の律令制のもとに置かれ、江戸時代まで続いた旧飛騨国に重なる。

  その面積は、4,178㎢。県総面積の約40%で、石川県と徳島県の間くらいの広さ。  

  これだけの面積がありながら、「平成の大合併」後の行政区は、高山市、飛騨市、下呂市、大野郡白川村の3市1村だけ。

  そのうち高山市は、全国の市町村中面積が最大で、東京都よりも大きい。ただし人口は、わずか約8万7千人。

  飛騨地方をすべて合わせても、14万7千人あまりで、県総人口の約7%にすぎない。

  どうしてこんなに人口が少ないのか―それは、とにかく山ばかりだから。

 

  岐阜県の森林率は81%と全国2位の高さ、さらに飛騨地方に限ると93%にもおよび、高山盆地・古川盆地と川沿いくらいしか、居住・耕作できる場所がない。

  しかも、中央高地式気候のため冷涼で、特に北西部は、冬は日本海からの季節風の影響で豪雪に覆われる。

  その反面、森林資源や神岡鉱山など鉱物資源には恵まれ、それもあって、江戸幕府は、飛騨国を天領とした。

  そのため代官所の置かれた高山は、行政・商業の中核として栄え、高山祭に代表されるように文化レベルも高かった。

  ただし、大原騒動で知られる代官(郡代)による搾取も相まって、飛騨の山あいに暮らす人々の生活は厳しいものだった。

  そのような風土が、飛騨人の、粘り強い気質を作りあげた。

 

  そんな飛騨の地も、最近は、産業としての観光の重要性が高まり、豊かな観光資源(※)に恵まれた地へと変貌。

  (※)世界遺産の白川郷の合掌造り、ユネスコ無形文化遺産の高山祭・古川祭、奥飛騨温泉郷・下呂温泉などの名湯、重要伝統的建造物群に指定され、ミシュラン三ツ星の高山の街、日本百名山の槍ヶ岳・穂高岳・笠ヶ岳・黒部五郎岳・焼岳・乗鞍岳・御嶽山・白山など、岐阜県を代表する、ひいては日本を代表する山岳観光地が集中。

  さらに、交通の面でも、山また山の僻遠の地とされたのは、今は昔。

  JRの高山本線のほか、東海北陸自動車道によって東海・関西地方からは日帰りも可能となり、中央縦貫自動車道の安房トンネルの開通によって関東方面からのアプローチも格段に良くなっている。

  名古屋に近すぎて存在感の薄い美濃地方より、飛騨地方の魅力がぐっとアガッている。 

 

  

2.飛騨の山岳

  山国飛騨は、3つの山域に分かれ、それぞれ違う個性を持っている。(↓地図クリックで拡大)

 (1)飛騨山脈

  飛騨地方東部、富山・長野県境側にあり、主要な部分は、中部山岳国立公園に指定されている。

  「北アルプス」とも呼ばれ、全国の岳人の憧れの山域。

  岐阜県部分はその最南部にあたり、槍ヶ岳、穂高岳、乗鞍岳など3千m級の山が県境部に、岐阜県内に笠ヶ岳が位置する。

  日本海からはやや離れ、中央高地式気候地となるため、年間通じて降水量は少なめ。

  安房トンネル開通により、登山基地として新穂高温泉の重要性が高まっている。      

  ただし、全国から登山者が押し寄せ、あか抜け過ぎているので、「自分たちの山じゃない」と感じる飛騨岳人もあるよう。

  なお、南に続く御嶽山は、独立した火山として、飛騨山脈には含められない。

  

 (2)両白山地(加越山地)

  飛騨地方西部の石川県・福井県境側にあり、その中心となる白山連峰一帯は、白山国立公園に指定されている。

  なお、一ノ峰の南からは、美濃地方となる。

  「白山」という名が象徴するように、日本海からの季節風の影響を受け、山々は日本有数の豪雪に覆われる。

  最高峰である標高2,702mの白山は、日本最西の森林限界を超える山であり、高山植物の宝庫として知られ、また豪雪のおかげで日本有数のブナの原生林が広がる。

  京の都にもっとも近い高峰として、古くから霊山として信仰を集め、山域全体に信仰の名残りがみられる。

  なお、白山連峰の主要部は飛騨地域だけれど、泰澄が開いたとされる古い信仰の道「美濃禅定道」が、郡上市の長滝白山神社(神仏分離以前は白山中宮長滝寺)から始まることもあり、美濃と飛騨の要素が混じり合った山域ともいえる。 

  

 (3)飛騨高地

  東の飛騨山脈、西の両白山地にはさまれた部分に位置し、標高1,000~1,500mの山々が連なる。

  北は富山県、南は美濃地方に及ぶ。

  森林限界以下の地味な山が覆く、生産の場として、植林の山も多い。

  そのうち、富山県境の北部は、加越山地と同様、日本海からの季節風の影響を受け、豪雪に覆われる。

  豪雪に長い間閉ざされ、さらに山麓の人口も少ないことから、登山道がない山が多い。

  しかし、地元飛騨岳人はこのような山こそ愛おしんで、スキーやわかんで登っている。

  一方、下呂市周辺の南部の山々は、内陸性気候で降水量が少なく、初冬まで登山道が使える山もある。

  また、阿寺山地の舞台峠以北は下呂市になるが、その登山上の特徴は、飛騨高地南部と似通っている。   

3.飛騨の川

 飛騨高地の位山や鷲ヶ岳を結ぶ稜線が分水嶺となり、長良川・木曽川水系が太平洋側に、神通川・庄川水系が日本海側に流れる。

 神通川の支流高原川が、飛騨山脈と飛騨高地の境となり、庄川が飛騨高地と加越山地の境界となる。 

 飛騨地方の風土を語るうえで最も重要な水系は、神通川水系。

 そのうち、本流となる川上岳を源流とする宮川は、高山市や飛騨市の市街地をおだやかに流れる。

 一方、乗鞍岳を源流とする高原川は日本有数の急流で、途中で槍ヶ岳・穂高岳・笠ヶ岳などの水を集める蒲田川も合流する。

 しばしば水害を引き起こすが、水にえぐられた渓谷には、沢登りに好適なスポットも多い。

 この対照的な宮川と高原川は、富山県境でひとつになり、神通川と名を変え、富山湾に流れ込む。

 

〇小括

 飛騨地方は山また山で、街や集落は少なく、展望もきかない場所が多いので、全体像がつかみにくい。

 改めて今回、全体を整理してみると、水系をつかむことが、土地勘をやしなう一番の手がかりみたい。

 ➀太平洋側に流れるか・日本海側か 

 ⊃青明鄂綏呂・庄川水系か

 -1 神通川水系では宮川沿いか・高原川沿いか

 -2 庄川水系では右岸か、左岸か

 そんな順番で絞り込むと、おおよそ土地の表情が浮かんできそう。

 

 あとは、実査あるのみ (ロ。ロ)/ガンバリマス 

 

| ぼっち | お山の勉強室 | 21:21 | comments(0) | trackbacks(0) | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!









http://walk-about.jugem.jp/trackback/691
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< October 2019 >>
+ SELECTED ENTRIES