WALK あばうと 日本4,000山

「新日本山岳誌」掲載の約4000山が修行の地。 めざせ山仙人!
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南沢山、湯舟沢山(横川山)、富士見台小縦走

3連休最終日、ようやく雨じゃない日が到来。

喜び勇んで恵那山の北に並ぶ、岐阜・長野県境の山々、南沢山(1,564m)、湯舟沢山(横川山)(1,620m)、富士見台(1,739m)を「『岐阜百名山』勝手に選定委員会」の調査を兼ね、小縦走してきました (ロ〜ロ)/

 

これらの山々は、岐阜・長野県境稜線で最も東に位置し、南沢山と富士見台は「ぎふ百山」になっている。

「ぎふ百山」刊行当時、中央自動車道の恵那山トンネルはまだ開通しておらず(注)、富士見台は、登山口の神坂峠まで中津川市から林道が通じ、ようやく車利用で登れるようになったばかり、南沢山は、長野県南木曾町蘭から南沢林道をたどって登っていた。

注:中央自動車道の恵那山トンネルが開通したのが1975年(昭和50年)8月、「ぎふ百山」が刊行されたのが同年7月なので、恵那山トンネルができる前の記述になっている。

そして、南沢山・湯舟沢山・富士見台間は、高原状の地形ながらササがびっしり生い茂り、ほとんど歩かれていなかった。

 

現在は、恵那山トンネル長野県側に1992年にできた園原I.C.から車で20分ほどの「清内路高原ふるさと自然園」(下伊那郡阿智村)が、南沢山の登山口となっている。

そして、南沢山だけなら往復4時間足らずとお手軽な登山が楽しめ、さらに南沢山、湯舟沢山、富士見台を経て恵那山まで、よく整備された縦走路も整備されている。

「ぎふ百山」刊行後の43年の歳月のうちに、登山環境が劇的に変わった山域のひとつと言えましょう。

 

今回は、「ふるさと自然園」入口手前にある、登山者用の無料駐車場に愛車奥地君を止めて出発。

(自然園に入らず)左手に進んで、オートキャンプ場を右手に見ながら沢に架かる橋を渡り、自然園最上部にあるバンガロー村に出る。その最奥の駐車場に、南沢山の登山口は開かれている。

ただし、この駐車場は料金500円が必要。

「ぎふ百山」刊行当時、南沢山に駐車料金を払って登る日が来ると想像した岳人は(たぶん)皆無でありましょう。

20180917南沢山登山口.jpg

南沢山は、「阿知セブンサミット(注)のひとつになっていて、登山道も良く整備されている。

注:阿智村を代表する7つのピークの意、ほかに恵那山、富士見台、大川入山、蛇持山、高鳥屋山、網掛山

岐阜県に比べ、長野県は山を観光資源にしたり、地域の活性化につなげるのがうまいよなあ。。

20180917南沢山登山道.jpg

登山口から中間点付近まではヒノキの植林帯に二次林が混じる中を、急登約1時間。

中間地点からいったん下った鞍部を過ぎると、穏やかな上りとなり、約1時間で南沢山山頂に到着。

古い山頂標識は「南沢高原頂上」と書かれている。

ササ(注)と、カラマツの風衝林で、視界は今一歩。

注:「ぎふ百山」では、チシマザサと書かれている。ここまでの登山道は丈が高くチシマザサかもしれないが、縦走路のササは背がそれほど高くなく、葉の形を見ると、クマイザサ(九枚笹、別名シナノザサ)ではないかと思われる。

20180917南沢高原山頂.jpg

南沢山を過ぎると霧が立ち込めだした。地形の関係で霧や雷が発生しやすいらしい場所らしい。

今はササ原に、しっかり切り開かれた登山道があるので、霧の中でも安心して進んでいくことができ、約30分の登高で、1,620mピークに到着。

2万5千分の1地形図には、標高が記されているだけで山名表示がないピークにもかかわらず、南沢山と富士見台にはどちらも三角点がないのに、立派な二等三角点が据えられている。

三角点の基準点名は「横川山」で、これは伊那谷側に流れ出す横川にちなむ山名で、登山道も伊那谷側で整備されているため、山頂の標識にもこちらの名が記されている。

それに対し、岐阜県側(注)では、木曽谷側に流れる湯舟沢にちなんで「湯舟沢山」と呼ばれており、「ぎふ百山」の南沢山の項でもこの名前で紹介されている。

山馬鹿岐阜県民としては、湯舟沢山と呼びたいところ。

注:厳密には1958年長野県神坂村湯舟沢地区が、岐阜県に越県編入されている。

20180917横川山山頂.jpg

霧の中だった湯舟沢山ピークを過ぎてしばらくすると おお! 霧がはれ、緑に輝く笹原の向こうに、恵那山が出現。

20180917横川山過ぎて恵那山.jpg

さらに歩を進めると、高原状のササの山頂部を持つ富士見台、その向こうに針葉樹林に包まれた恵那山がくっきり見えてくる。

その名の通り展望の良さで知られる富士見台は、最短の神坂峠側から登られることが多いけど、そちらからでは、山の姿をしっかりとらえることはできない。

こんな独立した個性的な山だと知ることができただけでも、南沢山側から縦走した甲斐があった。

20180917富士見台と恵那山.jpg

湯舟沢山から続く笹原を大下りして、樹林帯に入り込んだ最低部に、「横川の名水」という標識がある。

水音に誘われてのぞきこむと、泉というよりは、湧水と言いたいような水量で流れ出し、横川の源の一つとなっている。

苔の間からすくうと、大変にうまい水でありました。

20180917横川の名水.jpg

富士見台に向けて再びジグザグに高度を上げていくと、池塘に出会う。

トンボが水面に飛び回っていたので、「とんぼ池」とでも名付けたら風流かな。。

20180917池.jpg

笹原の中の富士見台山頂に到着。

車の入る標高1,569mの神坂峠からだと1時間足らずなので、多くのハイカーが登ってくる。

弁当を食いながら霧の晴れるのをしばらく待っても、結局晴れることはなかった。

南に恵那山、西に御岳山、南に今回の縦走路から南木曽山、東に赤石山脈と素晴らしい展望は必殺心眼にて。。

20180917富士見台山頂.jpg

往路を引き返して1時間ほどしてと、ようやくまた霧が晴れてきた。

笹原の向こうの、湯舟沢山は、なかなかいい感じの山容。

びっしり笹原に覆われた高原的な風景は、例えばかつて草刈り場として使われたりした人工的な風景ではないだろうか。

20180917湯舟沢山.jpg

湯舟沢山(横川山)山頂に到着。

霧に閉ざされていた往路とは打って変わり、360度の展望が得られる。

20180917湯舟沢山山頂.jpg

まず東側は、赤石山脈南部の主稜線をしっかり観察することができる。

岐阜県でもっとも東に位置し、視野を妨げないようササがしっかり刈られているので、岐阜県でもっともよく赤石山脈を拝むことができる縦走路と言えましょう。

20180917湯舟沢山からの赤石山脈.jpg

西側はちょうど良い角度に当たるので、御嶽、阿寺山地、阿寺断層〜付知川を挟んで美濃三河高原を一望のもとに観察できる。

20180917湯舟沢山からの阿寺山地.jpg

そして、北側は、カラマツ林の向こうに、南沢山の姿と、その向こうに南木曽岳が。

南沢山は、一見してどこがピークかはとらえにくい。

20180917湯舟沢山からの南沢山.jpg

今回登ってみるまで、湯舟沢山の存在はまったく頭になく、「『岐阜百名山』勝手に選定候補リスト」にも入れていなかった。

しかし、徒歩で約30分、直線距離で約900m離れた、南沢山と湯舟沢山を比較してみると、

 ”弦發蓮湯舟沢山が56m高い

 湯舟沢山には二等三角点があるが、南沢山、富士見台にはない

 山容は、高原的なたたずまいの湯舟沢山の方が個性的で立派

 づ庫召蓮湯舟沢山は360度得られ好位置なのに対し、南沢山は樹林越し

 ゼ然度は、中腹に自然林を持つ湯舟沢山の方が、下方がヒノキの植林の南沢山より良好

 ζ鄲山が、長野県側の南沢にちなむ名前なのに対し、湯舟沢山は、岐阜県側の湯舟沢にちなむ

 登山道は、かつて湯舟沢山は厳しいヤブ漕ぎの必要な山だったが、今は両山ともよく整備されている

 

さらに、湯舟沢山と富士見台とは、徒歩で約1時間30分、直線距離で約2厠イ譟△修療喘罎飽班瑤發△襪里任修譴召貽販性が高い。

以上から、南沢山ではなく、湯舟沢山を『岐阜百名山』の候補にしてはどうかと思えてきた。

<登山記録>  (―:車、…:徒歩)

2018年9月17日(月) 曇(霧)時々晴 単独行

自宅4:00―園原I.C.6:00―清内路高原ふるさと自然園入口(駐車)6:30…南沢山登山口6:50…南沢山山頂8:45…湯舟沢山(横川山)山頂9:15…横川の名水10:05…富士見台山頂10:50〜11:05…湯舟沢山山頂12:45〜12:55…南沢山13:25…登山口…ふるさと自然園入口14:55

ブログ「『岐阜百名山』勝手に選定委員会」(湯舟沢山)へ>←クリック!

同(南沢山)へ>←クリック!

同(富士見台)へ>←クリック!

 

<メモ>

・南沢山登山口から富士見台登山口の神坂峠を経て恵那山まで、登山道はよく整備されている。

・富士見台は神坂峠からだと1時間足らずで見晴らしのいい山頂に立てるため人気の山だが、峠からだとその山容をしっかり見ることはできない。北側の南沢山方向から眺めるとその全容を目にすることができる。

| ぼっち | 「岐阜百名山」勝手に選定委員会 | 21:26 | comments(2) | trackbacks(0) | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!
ご賛同ありがとうございます。
登山対象の山として、湯舟沢山、掘り出し物ですよね。
後は、富士見台をどうとらえるか、峠の歴史なども踏まえ、&#10112;両方単独で入れる △匹舛蕕にする F鷸灰札奪箸覇れる を全体バランスを見て検討していきたいと思ってます (ロ。ロ)/
| ぼっち | 2018/11/22 5:48 AM |
 岐阜県百名山には、湯舟沢山がふさわしい。
ボッチ氏は、植物、歴史等博学で感心します。自分は、高山植物も名前を知らない物が多く、樹木も杉と桧と照葉樹、落葉広葉樹ぐらいの区別しか出来ません。
 今回の富士見台から南沢の稜線は、自分の記憶によると、御嶽山の噴火の灰などで、栄養の少ない土地のようです。(ポトゾルだったか?)かっては、それなりの樹林帯だったのが、伐採によって裸山になり、何も生えることができず、笹が繁栄したとかいう話を読んだ気がします。実際自分が歩いた25年くらい前に、大きな切り株があったのを覚えています。
 奧三界山の頂上近くの笹原も同じような成り立ちのようです。いずれにしろ歩いて楽しく、富士見台より爽快でした。
| kameyama | 2018/11/18 7:26 PM |









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