WALK あばうと 日本4,000山

「新日本山岳誌」掲載の約4000山が修行の地。 めざせ山仙人!
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4月の新雪ラッセル―若丸山(1,286m)

若丸山は、両白山地のうち岐阜・福井県境部の越美山地にあり、標高は1,286m。

東に能郷白山(1,617m:日本200名山)、西に冠山(1,267m:日本300名山)と、容姿端麗な名山にはさまれている。

「ぎふ百山」ではあるけれど、全山ヤブ山で登山道はなく、ぼっちも、ずっと前の9月に登ったけど、どんなルートだったかさえ記憶にないくらい地味な山だった印象。

しかし、地元の山の会の皆さんは、お気に入りの山らしく、ほぼ毎年登られるメンバーもいる。

「『岐阜百名山』勝手に選定委員」としては、こんな山こそ、きちんとした踏査が必要。

 

かつて若丸山は、冠山から県境稜線をヤブ漕ぎするか、沢で登られることが多かったけど、徳山ダムができて環境は激変。

沢登りは困難となり、代わりに最近整備された国道417号線の塚白椿隧道北出口から尾根通しで登られることが多い。

残雪期登山の締めくくりに、同ルートを単独行でたどってきました (ロ。ロ)/

先週の5月並みの暖かさで、徳山ダム湖へ向かう国道417号線も桜が満開。

ところが、登山前夜から急に寒波が戻り、雪に桜という風景に。

天気予報も、岐阜県晴・福井県雪のち晴と微妙。。

登山取付き点となる塚白椿隧道北出口は真っ白。

この景色に恐れをなしてUターンする登山者の車2台。

後から来たもう1台の2人組も、ためらっておられる。

こっちは単独行。下見のつもりで行けるところまで行ってみようと、7:00登山開始。

尾根の取付きは明確ではなく、廃別荘のあるあたりから、適当に斜面に取り付く。

スギの植林のあとナラなどの2次林となる結構な急斜面で、落ち葉に積もった新雪に滑りまくる。

明確な尾根に出ると、傾斜は緩やかになり、ブナの純林になる。

ブナは、雪など気候条件によって姿がまったく違い、まっすぐ天を指す姿は、豪雪地帯ならではのもの。

数十センチの積雪になったので、わかんを着けラッセルしていくと、先ほどの2人組が数十m置いてついてこられる。

(いわゆる、「ラッセルどろぼう」ってやつかな?)

梨ヶ平と呼ばれる山上の小平地あたりで、東へ向かっていた尾根は、南東と北東方向に分岐する。

南の尾根の方が明確なので、北の尾根を見落とし、少ししてから磁石を見ておかしいと気づき引き返す。

ちょうど分岐点で休憩していた2人組に「すみません、間違えました」と言い訳して北の尾根に入る、お人よしのぼっち。

県境に近づくにつれ、雪が激しくなる。でも、雨よりは、ずっといい。

尾根は、雪解けでチシマザサ・シャクナゲ・アカミノイヌツゲなどが混在するブッシュが露出した上に新雪が積る微妙なコンディションで、ピッチが上がらない。

梨ヶ平分岐から2時間ほどで、2人組は引き返された。

岩のある痩せ尾根を越えると、若丸山山頂のある県境主稜線にぶつかり、急斜面の登りがはじまる。

40僂曚匹凌契礇薀奪札襪如一歩一歩踏んばらないとずり落ちそう。

ようやく、吹雪吹きすさぶ主稜線に出る。若丸山山頂はもう少し。

13:45若丸山山頂に到達、予定より1時間45分もかかってしまった。

新雪を掘り、三角点を確認、下に硬い残雪はなく、昨日までは地表に露出していたみたい。

あいにく吹雪だけど、立木もないから、晴れていれば、能郷白山や冠山など360度の展望が得られるはず(必殺心眼)。

さて、帰路も長丁場、下山にかかろう。

県境主稜線から下山する尾根の取付き点を見下ろす。

梨ヶ平から、ほぼ90度に折れ急降下するので、視界がきかないと気が付きにくいんだよな。。

急斜面を一気に下り、振り返ると、ようやく若丸山の台形をした山頂部が見えてくる。

真ん中の、ブッシュが濃い部分を登ったけど、主稜線直下はブッシュが固まり、岩も出ているので、左側を巻いた。

馬鹿正直な天気予報どおり、午後になって青空がのぞきだした。

2人組がしっかり帰路をラッセルをしてくれ、こちらがラッセルどろぼう。

空が明るくなったところで、振り向くと、若丸山が4月の雪に輝いている。

かつて9月に登った時は、ヤブ漕ぎで山の姿さえ拝めなかったけど、すっきり絞られた台形の山容はなかなか。

この山で特に印象深かったのは、風格あるブナの純林。

冠山、金草山、釈迦嶺、烏帽子山など、かつて森本次男著「樹林の山旅」に描かれた揖斐川源流部の深いブナの森は、昭和40年代に製紙会社により林道が縦横に付けられ皆伐され、無残な姿のまま放置された。

そんな中で、若丸山は、奥まっていたせいもあるのか、奥美濃の山のかつての姿をとどめている。

地元山の会の皆さんが、この山を愛している理由がやっと分かった。

以前登った時の印象がないということは、「何でもないブナの森」のすばらしさに当時は気が付けていなかったということ。

下山途中に、冠山の鋭い岩峰の頂を拝むこともできた。

また今度、天気のいい早春、またこの山に来ようと思ってしまう、渋いけど、山馬鹿には魅力あふれる山でありました。

<登山記録> (―:車、…:徒歩) (↓地図クリックで拡大)

2018年4月8日(日) 雪のち遅く晴

自宅5:00―国道417号線塚白椿隧道北出口(駐車)7:00…梨ヶ平分岐9:40…若丸山山頂13:40〜13:45…分岐16:50…塚白椿トンネル18:05―自宅19:40

ブログ『岐阜百名山』勝手に選定委員会」(若丸山)へ>←クリック!

<メモ>

・ルートファインデイング、ヤブ漕ぎ、残雪期にはわかんやアイゼン歩行技術も必要で、長丁場の、熟達者向けの山。

 樹林の深山歩きの好きな人にはこたえられないだろうけど、登山道前提の快適な登山を志向する人にはまったく向かない。

・国道417号線は、現在塚白椿トンネル北出口あたりまでしか整備されておらず、徳山ダムからここまでの区間は、冬季閉鎖となり、開通時期は毎年異なる(今年も3月9日開通予定が、20日過ぎまでずれこんだ。揖斐土木事務所などで確認した方がよい)。

・本ルートは、梨ヶ平まではヤブもひどくはなく、踏み跡や残置テープもあるが、分岐以降は厳しいブッシュで、無雪期のヤブ漕ぎでの日帰りは相当困難。

 したがって、登山適期は3月国道開通から梨ヶ平以北の尾根に残雪のあるうちと、非常に短い。

・国道417号線は、工事中の冠山トンネルが完成すると、福井県側につながり、冬でも通行できるようになる。

 そうなると、登山可能な時期はもっと長くなるはず。

 

 

| ぼっち | 「岐阜百名山」勝手に選定委員会 | 21:35 | comments(0) | trackbacks(0) | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!









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