WALK あばうと 日本4,000山

「新日本山岳誌」掲載の約4000山が修行の地。 めざせ山仙人!
日本遺産〜美濃の正倉院 縦走

5月9日は、ぼっちの「勝手に『岐阜百秀山』候補リスト」未踏の山、妙法ヶ岳(667m)へ。

登山口は、ぼっち家から40分ほどのご近所の低山で、後回しにしておりました  (ロ。ロ)トウダイモトクラシ

 

西国三十三カ所観音霊場の三十三番目の札所、天台宗谷汲山華厳寺の背後の山で、中腹には奥の院がある。

華厳寺は地元で「たにぐみさん」と呼ばれることの方が多く、所在地は、揖斐川町と合併する前、谷汲村だった。

それでは、谷汲山=妙法ヶ岳なのか、調べてもよく分からなかった。

 

旧谷汲村には、もう一つ両界山横蔵寺という天台宗の古刹があり、地元では、「ミイラのある寺」として知られている。

妙法ヶ岳には、この二つの寺を結ぶ小縦走ルートが東海自然歩道として通じている。

横蔵寺門前にMTBジャイアン号を待たせ、華厳寺門前から小縦走開始 (ロ。ロ)/オウ

華厳寺は、最近西国三十三カ所として「日本遺産」に指定され、横蔵寺は、多数文化財を保有し「美濃の正倉院」と呼ばれる。

ありがたい縦走であります。

華厳寺は、関西以外唯一の三十三カ所霊場としてよく知られた観光地。

ソーシャルディスタンスを確保するため、早朝6:30に出発。本堂の脇から、奥の院への参道に入る。

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参道は途中で、東海自然歩道と合流する。

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ま新しい三十三観音の石仏を数えながら奥の院に到着。

後ろから鈴の音がしたので、ソーシャルディスタンス確保のため、ギアを入れ替えて、さくさく進む。

以後、後続登山者の気配はなくなった。

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山頂までは、比較的若いヒノキの植林の単調な急登。

東海自然歩道に付きものの、プラスチック製の疑似丸太の階段ではなく、間伐材なのが救いでありましょうか。

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華厳寺から1時間あまりで、妙法ヶ岳山頂に到着。

展望は南(画像左)も、北(右)も、植林で全く得られなかった。

全山植林で眺望も得られないのは、少し寂しい。

南側20本くらいヒノキを伐って落葉樹に戻せば、観光地としての価値も上がるのでは。。

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妙法ヶ岳からは、標高600m前後のゆるやかなアップダウンの稜線縦走。

次第に稜線周辺は、単調な植林からアカマツに、シロモジ、リョウブ、ユズリハなどの新緑となり、行く手の山々も樹間に見える。

ただし、しっかり展望できる地点はなかった。

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632mポイントあたりが、本コースのハイライト。

ミツバツツジや新緑が爽やか。

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横蔵寺背後の三等三角点(基準点名「神原」)のある606mピークあたりからは、再び植林帯に入る。

ただし、妙法ヶ岳側よりずっと風格があり、中には、蕪山の株スギを思わせる大木や、シャクナゲもみられる。

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いったん舗装された林道と交差し、562mピークから、横蔵寺に向けて下りはじめる。

途中のヒノキとスギの混植された林は、ヒノキの皮が剥がされている。

どうやら、横蔵寺のお堂の屋根の檜皮葺きに使われているらしい。

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谷間の少し広い場所に出ると、「横蔵寺旧蹟」の石碑と、本堂などの礎石があり、本格的な山岳寺院だったことがしのばれる。

元亀2年(1571年)織田信長に焼き討ちにされる前、この場所に伽藍があり、最盛期の鎌倉時代には38坊を有する大寺院だったという。

比叡山延暦寺とは深い関係があり、最澄作という横蔵寺の本尊の薬師如来が、同年信長に焼き討ちで焼失した延暦寺の本尊薬師如来の代わりとして移されている。

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仁王門跡などを経て、江戸時代山麓に移った現在の横蔵寺に到着。

参拝者は、まったくなくて、閑散としている。

そのまま、通過するつもりだったけど、「ミイラを見ていきませんか」と、寺の女性に声を掛けられ、拝んでいくことに。

横蔵寺のミイラ(舎利仏)は、地元出身の妙心法師のもの。

文化14年(1817年)、断食修行の後、御正体山満36歳で入定、即身仏となったという。

当初は入定した御正体山の中腹の堂に安置されていたが、明治の廃仏毀釈で山から降ろされ、見世物として京都の博覧会などに展示されるなどした後、明治7年(1874年)に山梨県庁が引き取り、その後は県病院で医学資料として保管されていた。

それを親族の嘆願で、地元の横蔵寺に移されたという。

ぼっち的には、宝物殿の鎌倉時代の仁王像など、かつて山上に会った仏像が感慨深かった。

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待たせていたMTBジャイアン号で、華厳寺まで8.5kmほどの道のりを戻る。

史跡めぐり登山としてはなかなかいいルートだけど、妙法ヶ岳単体では、植林低山という印象だろうか。

ちなみに、いずれも回峰行の伝統を持つ天台宗の寺ながら、華厳寺から妙法ヶ岳を経て横蔵寺に至る稜線には、両寺のつながりを感じさせる痕跡は見られなかった。

現代では、それぞれにキャッチフレーズを持つ、紅葉の名所の観光地の印象。

しかし、こじんまりした旧谷汲村に、霊場として広く信仰を集めた華厳寺と、山岳寺院として僧兵を擁した横蔵寺と個性が全く違う天台宗の古刹が2寺もあるのはなぜか、改めて考えてみるとよく分からない。

ご近所でも知らないことが多いなあと感じされられた小縦走でありました。

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<余談>

横蔵寺の駐車場にあった、「いびがわ観光マップ」が気になった。

 

濃尾平野の北西端にある揖斐川町は、2005年「平成の大合併」で、背後の山村である旧谷汲村、久瀬村、春日村、坂内村、藤橋村と合併した。

これによって、面積は46㎢から803㎢と、17倍に増えたのに対し、人口は2000年に約2万7千人だったのが、これらの村から8千人加わったのに、2005年は2万6千人に減少している。

 

合併前の揖斐川町には、山らしい山はなかったのに対し、編入された村には、能郷白山(日本200名山)、三周ヶ岳、冠山(日本300名山)、金草岳、花房山、小津権現山、蕎麦粒山、伊吹山(日本百名山)、金糞岳、貝月山など、美濃地方を代表する山々がひしめく。

しかも、日本一の貯水量を持つ徳山湖や、伊吹山の薬草や、旧春日村の「天空の茶畑」など、個性ある観光資源も多い。

しかし、「いびがわ観光マップ」では、旧揖斐川町以外のエリアが軽く扱われているのは、実際の地図と照らし合わせれば一目瞭然。

 

観光マップは、揖斐川町の生活者目線と、観光者や登山者の関心が相当異なっていることを如実に表している。

そのギャップを意識化していかないと、地域振興はなかなか難しいのではないかと思う。

特に登山者受け入れについては、あまりに立派な山が多すぎて、手つかずっていうのが、現状でありましょうか。

(↓地図クリックで拡大)

 

| ぼっち | 縦走主義でいこう! | 06:17 | comments(0) | - | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!
誰とも会わない岐阜県の山(3)―笈ヶ岳県境稜線踏査

ぼっちの「勝手に『岐阜百秀山』」の取り組みに残された大きな課題の一つが、笈ヶ岳の踏査。

岐阜・石川・富山県境の遠い山で、登山道はなく、残雪期限定となる、日本200名山の本州では最大の難峰。

2006年に石川県中宮温泉側の冬瓜山・シリタカ山経由ルートで登ってから時間が経っているし、天気もあまりよくなかった。

できれば石川県側だけではなく、岐阜県側から三方岩岳から入る県境稜線のルートを紹介したい。画像もいいのが欲しい。

5か年計画のラストの年、行けるチャンスは今回の連休が最後と、「誰とも会わない岐阜県の山」として単独・テント泊で計画。

 

ところが、八ヶ岳で東京都の遭難者が感染の疑いという事件が発生 (ロ。ロ;イイメイワク

これを逃すと、年内に本が出せなくなるからと、5月1日、日帰りに規模を縮小し、何とか家族のお許しをもらった。

 

白山白川郷ホワイトロードの馬狩料金所脇の登山口から三方岩岳に登り、県境稜線に出て、瓢箪(ふくべ)山、国見山、仙人窟岳、笈ヶ岳まで、テント1泊2日でもなかなか強行軍のコース。

今年は残雪も少なめなので、さらに難易度高し。

行けるところまでにして、無理はしないと心に決め、自宅を2時30出発。

 (←地図クリックで拡大)

馬狩料金所の三方岩岳登山口を5:05出発。

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三方岩岳は、白山白川郷ホワイトロードの三方岩駐車場から40分程で登れる手軽な山と甘く見られている。

しかし、馬狩から登り4時間のルートは、見事なブナ林で、この登山道を味わってこその山だとおもう。

雪の重みで曲がった芽吹き前のブナ林の中、タムシバが白い花をつけていた。

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約1,200mのホワイトロードといったん接する地点を過ぎると、雪がつながってくる。

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1,400mくらいになると、ダケカンバの疎林となり、雪も安定してきたので、アイゼンを装着。

振り返ると、登ってきた尾根の向こうに、白川郷と、それを取り囲む猿ケ馬場山や籾糠山が。

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1,586mピークに立つと、三方岩岳(1,736m)が真正面。

雪の中に飛騨岩・加賀岩・越中岩と三方に岩をそそり立て、残雪期は一層個性が際立つ。

登山道が整備されているので、積雪期の山としてあまり認知されていないけど、日帰りが十分できて、この絶景。

岐阜県にはいい山が多いなあと、あらためて感謝。

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飛騨岩の下をへつっていくところが、山頂までで最大の難所。

幸い、数日前のトレースが残り、県境稜線にぽんと出る。

加賀岩の向こうには、屹立する笈ヶ岳、白い笠の姿の大笠山という個性の異なる山が並び立つ。

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9:05、三方岩岳山頂に到着。南には、白山から、妙法山、野谷荘司山を経てここまで続く北縦走路が一望。

県境稜線で笈ヶ岳をめざす場合、ショートカットをねらって、有料道路を歩く岳人もあるらしいけど、ちょっともったいない。

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北側には、瓢箪(ふくべ)山(1,637m)、国見山(1,690m)、仙人窟岳(せんにんくつだけ・せんにんいわやだけ、1,747m)そして笈ヶ岳(1,841m)と連なる県境稜線が。

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雪が腐ってきたので、わかんに履き替え、瓢箪山を経て国見山山頂に、11:25着。

本当は、このなだらかな雪原に、テントを設営するつもりで、パッキングまで済ませてたんだけどな。。

国見山から、行く手を見る。

仙人窟岳は、崩落と雪崩で樹林がない荒々しい山肌をみせている。

今日は、13時まで行けるところまで行く計画。

たぶん、仙人窟岳山頂までは難しく、その肩の1,646mポイントくらいが限界だろう。

そこまでたどり着ければ、目の前に笈ヶ岳の姿を仰げるはず。
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国見山までのおだやかさとは打って変わり、県境稜線は激しく崩落し、残雪もあちこち切れている。

雪が切れたところは、わかんとストックにブッシュを引っ掛け、難渋しながらヤブ漕ぎ。

時間ばかりかかる。

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12:55、何とか1,646mポイントに到達。仙人窟岳の向こうに笈ヶ岳が。

1,747mの仙人窟岳とは、標高差100mくらいで、ここに荷物をデポして身軽になれば、往復1時間くらいで行けそう。

でも、山頂直下の雪が大きく切れた場所が厄介そうだし、無理をしないことが、この時節大事。

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笈ヶ岳と真正面に向かい合う。

中宮温泉側のルートからの山容は、屏風のように見えるのに対し、山体全体がピークに収れんされるようで凛々しい。

仙人窟岳山頂からだと、手前の小笈が被さってしまいそうなので、案外このあたりからが、ベストアングルだろうか。

山頂の黒い岩が、山伏の背負う笈(おいづる)のように見えなくもない。

またいつかこのルートで山頂を、そう焦がれながらながめる時、笈はひときわ美しい。

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遅い昼食をそそくさと済ませ、引き返す。

三方岩岳側から見た時と打って変わり、国見山の北面は切れ落ち、悪い姿をさらしている。

帰路もまだまだ長丁場、気を抜かずにいこう。

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三方岩岳に16:15帰着。

1,586mピークから振り返ると、夕暮れ間近な空に、笈ヶ岳が最後の姿を見せてくれる。

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何とかヘッドライトを出さずに19:10馬狩登山口に帰着。

トイレに寄った、飛騨河合P.A.にも人の姿かなく、家を出てから戻るまで、誰にも接触なし。

何とか「誰とも会わない岐阜県の山」その3を達成。

 

連休の残りは、畑作と、「勝手に『岐阜百秀山』」をほぼ確定する作業にあてる予定。

何とか、普通に山に登れる世界になってほしい。

ぼっちにとって、もうそこは普通ではなく、感謝に満ちた世界のはず。

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<登山記録>  (―:車、…:徒歩)

2020年5月1日(金) 快晴 単独行

自宅2:30―白川郷I.C.―馬狩料金所前三方岩岳登山口(駐車)5:05…三方岩岳山頂9:05…瓢箪山10:30…国見山11:30…仙人窟岳手前1,646m地点12:55〜13:15…国見山14:40…瓢箪山15:40…三方岩岳16:40…登山口19:10―自宅21:40

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<メモ>

・日本200名山でありながら登山道のない積雪期狙いの難峰。

・一般的なルートは、石川県白山市中宮温泉のビジターセンターから冬瓜山を経由するもので、往復11時間程度と辛うじて日帰り。

 だいたい連休頃がベストシーズン。

・今回の石川・岐阜県境稜線ルートは、白山白川郷ホワイトロードの三方岩隧道付近を起点とするもので、起点から同程度の時間を要するため、テント泊1泊2日で登られる。

 仙人窟岳から笈ヶ岳のあたりの雪が不安定で、確実に着雪している3月下旬ころに登られることが多いようだが、いずれにしても登山者は少ない。

 

| ぼっち | 縦走主義でいこう! | 13:22 | comments(0) | - | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!
野伏ヶ岳〜小白山周回 

3月8日(日)は、郡上市高鷲町のIさんの山荘Haksan Viewに、Kさんとご一緒にお泊り。

Iさん、Kさんは、最近お知り合いになった先輩で、海外遠征を何度もされたエキスパート。

ぼっちとは格が違うお話をいろいろ伺え、貴重な時間だった。

 

翌9日は、早朝4時15分に山荘を失礼して、単独、石徹白の白山中居神社を起点に、野伏ヶ岳〜小白山〜杉山を周回することに。

6:00、石徹白川を渡り、まずは野伏ヶ岳の取付き点、和田山牧場をめざし林道を登山開始。

予定より1時間出発時間が遅れ、日没までに戻れるか、勝負であります。

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林道は、標高850mあたりまで雪がなく、貧雪を実感する。

7:45和田山牧場に到着。幕営好適地で、ぼっち地元の山の会が、毎年雪上訓練を行うおなじみの場所。

例年この時期なら真っ白な野伏ヶ岳も、樹木類が顔を出して、やや茶色っぽい。

さて、先を急ごう。

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8:25、わかんを装着、野伏ヶ岳の積雪期メインルート、ダイレクト尾根に取り付く。

昨年ここから左手に、小白山のその名に違わない真っ白な姿を眺め、ぜひ登ろうと心に誓った。

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1名に追い越され、昨日テント泊だったのだろう2名の下山者とすれ違い、野伏ヶ岳ピークをめざす。

空は濃紺、今日の長丁場には、最高のコンディション。

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10:35 野伏ヶ岳山頂に到着。

北側には、薙刀山、願教寺山、銚子ヶ峰、三ノ峰、別山、白山本峰までえんえんと重畳する岐阜・福井・石川県境稜線の山々が、

銚子ヶ峰から東には、丸山、芦倉山、大日ヶ岳、毘沙門岳など、かつての行者道に連なる山々が一望。

「縦走主義でいこう!」ということで、これらのルートは何度かに分けてたどった。

残すのは、今回縦走する、野伏ヶ岳から小白山、杉山と続く福井・岐阜県境の稜線。

さあて、それでは踏み出そう。

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日本300名山の野伏ヶ岳は、登山道はないけれど、アプローチもよく、登りやすいので積雪期には多くの登山者がある。

しかし、小白山は、「ぎふ百山」「続ぎふ百山」にもなっていない超マイナーな山なので、この先のルートは緊張感が違う。

ただし、昨日のものだろうか、ひとつだけスノーシューの踏み跡が残っている。

まずは、かつて石徹白集落と福井県大野市打波をつないでいた廃道にある橋立峠に向けて大下り。

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貧雪の今年は、雪庇があまり発達しておらず、雪面の亀裂も比較的少ない。

そのかわり稜線が痩せているので、滑落しないように慎重に進む。

特に、峠直前が相当な急降下になるので、わかんを一歩一歩しっかり蹴り込んでいく。
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1,634mピークあたりで、小白山が目の当たりになる。

県境部には丸い頭の北峰が、福井県側約550mに三角点のある南峰がある。

石徹白側から見えるのは、北峰だけなので、稜線北側から眺める南峰の荒々しい姿に、おどろく。

ふたつのピークは形がまったく違うので、双耳峰という感じはあまりしない。

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12:25 橋立峠に降り立ち、南峰を観察、ルート取りを決め、わかんからアイゼンに履き替えて急斜面に取り付く。

少し緩やかになったところで、ふたたびわかんに履き替え。こういったことに案外時間を食う。

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13:35分 小白山北峰に到着。

歩いてきた野伏ヶ岳からの大下り、登り返しを何とかクリア、新たな踏み跡を県境稜線に延ばすことができた。

でも、まだ南峰往復が控えているので、そそくさと「カップヌードルトムヤンクン味」(←冬山のマイブーム)を食べて出発。

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南峰へは、稜線の北側はスパッと立ち底まで切れ落ちているので南側をたどる。

こちら側だって、足を踏み外したら転がり落ちそうなので、一歩一歩気が抜けない。
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14:30 なんとか南峰に到着。

先行していた古いスノーシューのトレース、どうして一方通行なのかと思ったら、南峰からさらに稜線を福井側に進んで下山した模様。

(後でIさんに伺ったのだけど、南峰の先にある、1,518mピークは枇杷倉山というのだそう。)

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大急ぎで北峰に引き返すと、15時5分前、何とか日没前に下山したいもの。

最初は、杉山(1,181m)に向け、明確な尾根を大下りする。

1,150mくらいまで下りると、地形が曖昧になって、見晴らしもきかず、GPSで現在位置を何度も確認していくもので、ピッチが上がらない。

Iさんが、このルートは登りで使った方がいいよと言われたのも納得、なんとか、17:20杉山に到着。

杉山から先の尾根も、950mあたりになると再び不明確になり、とうとう日没を迎える。

 

ヘッドランプの明かりと、GPSに頼りながら、何とか18:50石徹白川沿いの林道に降り立つ。ふう。。

なんとも長い一日。その分、この冬一番のずっしりした充実感を味わうことができた。

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<登山記録> (―:車、…:徒歩) (↓地図クリックで拡大)

2020年3月9日(月) 快晴 単独行

高鷲Iさんの山荘4:15―石徹白白山中居神社(駐車)6:00…和田山牧場7:45…ダイレクト尾根取付き点8:25…野伏ヶ岳山頂10:35〜10:45…橋立峠12:25…小白山北峰(昼食)13:35〜13:50…南峰14:30…北峰14:55…杉山17:20…石徹白18:50―(満天の湯入湯後帰路)

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<メモ>

・小白山は、石徹白から単独で登っても長丁場の残雪期限定の山。

 しかも、野伏ヶ岳のダイレクト尾根のように単純明確なルートはないため、特に下部のルート取りをきちんとする必要がある。

・「小」という言葉で、スケールの小さな山の印象があるが、立派な独立峰で、山慣れた方ならきっと大満足の山でしょう。

 

| ぼっち | 縦走主義でいこう! | 21:26 | comments(0) | - | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!
果無山脈冷水山―「一等三角点百名山」完登

果無(はてなし)山脈は、奈良県と和歌山県の県境東西約50劼砲錣燭蟆たわる。 (↓地図クリックで拡大)

その最高峰が冷水山(ひやみずやま:1,262m)で、今年の目標「一等三角点百名山 完登」の最後を飾る山。

西側の安堵山(あんどやま:1,184m)と結んで縦走できるという。

紀伊半島でも最奥の、とにかく遠く山深い場所なので、日帰りはかなり厳しい。

往路は稜線縦走、復路は直下の林道を自転車で戻ることで1日の計画とし、愛車奥地君にMTBジャイアン号を積んで出発(ロ。ロ)/オウ

早朝3時15分に自宅を出て、熊野市を6時過ぎに通過。

世界遺産獅子岩もまだ、夜明け前のシルエット。

海岸を離れ、いよいよ紀伊山中に。

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途中、山並みのうち、ただひとつの山だけが霧に包まれ、山肌を雪崩れ落ちるように下る不思議な光景を目撃。

これは、紀和町側の朝霧が風伝峠を越え御浜町側の尾呂志(おろし)集落に流れ落ちる「風伝おろし」という気象現象なのだそう。

熊野というのは、特別な物語を感じる土地だな。。

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国道311号線から林道龍神本宮線に入る。

途中、通行止めの看板があったのでドキドキしたけれど、何とか冷水山と安堵山あたりまでは問題なく通れた。

まずは手前の冷水山の登山口にジャイアン号を駐輪。

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果無山脈の縦走路は和歌山県田辺市龍神村丹生ノ川集落からはじまるけど、今回はショートカット。

縦走路最初のピーク和田森(1,049m)の尾根が林道を横切る標高約750m地点に愛車奥地君を駐車し、登山開始。

冷水山登山口からは約8厠イ譴臣賄世如標識はないけど、明確な踏み跡がある。

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尾根を標高百数十m分登ったところで、丹生ノ川からのルートに合流。

要所要所に標識もしっかり出ている。すごいなと思ったのは、ちゃんと英語も添えられているところ。さすが世界遺産熊野の地。

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登山口から約1時間で和田森に到着。

2万5千分の1地形図では「和田森」、現地の看板は「和田ノ森」になっている。

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和田森から、縦走路は、和歌山・奈良県境となり、安堵山に向かう。

和歌山側の舗装された龍神本宮線のほかに、奈良県側も林道が稜線に平行して付けられていて、樹林が残るのは縦走路周辺だけ。

その分、見晴らしだけはすばらしくいい。

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これだけ山深いのに、植林の千m級の山ばかりで、雪の山、スター級の名山が見えないのは、ちょっと物足らない。

東側奥の、釈迦ケ岳など奥駈の稜線だけが、メリハリが効いている。

それだけに、眺望の良い山に立つ=名山名峰が目の当たりになる が当然の、岐阜県の山を、改めてありがたく思う。

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安堵山山頂で昼食。

ちなみに、安堵山(あんどやま(さん))とは、後醍醐天皇の子護良親王が、元弘の変の折、鎌倉幕府の追討を逃れて十津川方面へ向かった時、「ここまで来ればもう追手もないだろう」と安堵した故事にちなむという。

まあ、そのくらい奥深い場所だったということでしょう。

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安堵山から下ると、いったん林道に出て、ふたたび稜線に入る。

このあたりから、林道越しに南側の展望もいい。

四国の瓶ヶ森から伊予富士あたりの雰囲気と似ている。

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縦走路沿いは自然林となり、関西方面では貴重なブナの大木もみられる。

豪雪に耐えて一直線に伸びる雪国のブナに比べると、わがまま放題に育ったって感じ。

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冷水山一つ手前の黒尾山を通過。

アセビのトンネルを抜けていく。

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黒尾山の下降途中、ようやく冷水山が目の当たりになる。

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登山開始から約4時間30分で、一等三角点のある冷水山山頂に到着。やりました。

眼下には、琵琶湖より、東京23区より広い、十津川村が見渡せる。

山名標識の脇に次のような、個人が置かれたプレートがあった。

「かつてこの山のふもとの上湯川村仏峠には上湯川小学校がありましたが、学校統合により昭和四十五年三月をもって廃校となりました。友と過ごした学びやから見る冷水山の雄姿はすばらしく、全校登山で山頂より海を見たときの感動は未だ忘れ得ぬ思い出であります。今日この場所よりしがたいほどに朽ち果て杉山に没しつつある後者に思いを馳せ、その歴史の証として『いっとうてん』と親しみ呼んだこの山頂に本文を記します。」

「いっとうてん」かあ。山への愛を感じながら「一等三角点百名山」を締めくくれ、幸せであります。

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ピーク手前から南に派生する尾根を一気に下り、MTBジャイアン号のもとへ。

約30分で8劼領啼擦魏爾蝓¬技縦走を完了。

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帰路、奥駈縦走を果たして泊まった、懐かしい湯の峰温泉に立ち寄る。

いつ入っても、柔らかく、それでいて湯の力を感じる癒しの湯でありました。

さあて、帰りも遠路5時間30分、気を抜かず安全に帰ろう。

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<登山記録>  (―:車、…:徒歩、=:自転車)
2019年12月1日(日) 快晴 単独行

自宅3:15−熊野―(国道)―冷水山登山口(駐輪)8:45―和田森取付点(駐車)9:15…縦走路合流9:40…和田森10:15…安堵山山頂(昼食)11:30~11:45…黒尾山山頂12:35…冷水山山頂13:00~13:15…冷水山登山口13:45=和田森取付点14:05

 

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「大山」 諸峰回峰

中国地方の最高峰大山(1,729m)は、中国山地からやや離れた独立した火山で、山体は東西約35辧南北約30劼砲よぶ。

登山の対象として「穂高岳」をとらえると、奥穂、北穂、前穂、西穂等のピークに分かれるように、「大山」も、主峰の剣ヶ峰のほか、三鈷峰、烏ヶ山、矢筈ヶ山、船上山などのピークを持っている。

そのうち矢筈ヶ山が「一等三角点百名山」になっている。

 

奥穂だけ登って「穂高岳に登った」とは言えないように、「大山に登った」というには、これら諸峰も巡っておきたい。

ということで、10月13日(日)14日(月・祝)で巡ってきました。

「今回は下界でいい」という連れ合いが、各登山口までの送迎役(感謝)。

13日は、南東のピーク烏ヶ山(からすがせん:1,448m)から、象山(ぞうやま:1,085m)まで小縦走。

登山口は、鏡ヶ成キャンプ場側登山口は2018年の台風の被害が残るとの情報があったので、新小屋峠側とする。

大事をとって13時過ぎと遅めに出発したので、下山する登山者と何度も出くわす。

人気の山のようであります。

20191013烏ヶ山1.jpg

大山は本峰だけでなく、各峰にも広範囲にブナ林が残っている。

1,230mピークで稜線に出ると、さらにブナの巨木が多くなる。

20191013烏ヶ山3.jpg

山頂は、南峰と、本峰の北峰に分かれており、南峰直下から岩場となる。

山頂には三角点はなく、大岩と立派な山名標識がある。

烏ヶ山の名は、山容が遠くから見ると烏が羽を広げたような姿に見えることに由来するそうで、ピラミダルな山容からから「参院のマッターホルン」とも呼ばれるそう。大山の大展望も有名。

あいにくの曇天+霧で山容も展望も得られなかったけど、ブナのみごとさだけでも訪れた甲斐はあった。

20191013烏ヶ山6.jpg

新小屋峠から今度は南のブナ林に入ると、象山への登山道が続いている。

象山(1,085m)は、鏡ヶ成という烏ヶ山直下の高原に擬宝珠山(1,110m)とともに並ぶ小山で、晴れればここは、烏ヶ山の展望が素晴らしいらしい。

20191013烏ヶ山9.jpg

あいにく烏ヶ山も大山も厚い雲の中。

ここは、必殺心眼で…ううむ、技がきかない。。

20191013烏ヶ山10.jpg

峠から約25分で象山山頂に到着。

烏ヶ山には三角点がなかったのに、ここには立派な三等三角点が。

ちなみに、象山は「ぞうやま」と呼び「ぞうさん」でも「ぞうせん」でもない。

下山後、鏡ヶ成の「国民休暇村奥大山」に投宿。

壁には、うずくまる象のような姿の象山のスケッチの額が掛けてある。

昔は笹ヶ峰と言っていたのが、山の姿から象山と愛称されるようになったらしい。

20191013烏ヶ山12.jpg

翌14日。

今回メインの、大山本峰から東〜北に連なる、矢筈ヶ山〜甲ヶ山〜勝田ヶ山〜船上山までの縦走。

登山口の川床まで向かう途中、蕎麦畑の向こうに夜明けの大山が。

本峰の登山口や大山寺などのある北側からは、裾野を伸ばした単独峰としてながめられ、その背後に峰々が続くとはおもわれない。

20191014縦走2.jpg

大山寺を過ぎ、大山国際スキー場を越えたところにある登山口の川床は、中国自然歩道として大休峠を経て一向平に至る。

20191014縦走3.jpg

こちらも、ブナの巨木が多く、しかも独立峰の烏ヶ山に比べてはるかに広範。

雨が降りそうで、展望がきかなくても、黄葉の始まった巨木を眺めながら歩けたら文句なんてない。

20191014縦走5.jpg

大休峠への道は、ところどころ、江戸時代前期、大山参詣と牛馬市往来のために敷かれた石畳が残されている。

20191014縦走4.jpg

大休峠には立派な避難小屋があり、ここから矢筈ヶ山、甲ヶ山、勝田ヶ山、船上山と続く縦走路に入る。

今までのよく整備された遊歩道から、灌木が踏み跡に覆い被さる、雨露ぐっしょりの道となる。

 

20191014縦走6.jpg

矢筈ヶ山山頂(1,358m)に到着。

一等三角点の山頂は、本来なら大山の雄姿が眼前に迫るはず。

20191014縦走7.jpg

山頂から甲ヶ山にかけてが、今回の難所。

矢筈ヶ山の先にある鋭い小矢筈のピークは、当然巻いていくのかと思っていたら、

当然、ピークを通過していくのだった。。

20191014縦走8.jpg

振り返ると、矢筈ヶ山が霧の中からわずかに顔を出してくれた。

20191014縦走9.jpg

滑りやすい岩場をへつり、甲ヶ山のこれまた滑りやすい岩の斜面を滑落しないように慎重に登る。

このあたりで、船上山からのパーティーいくつかとすれ違う。

どうやら、大山側から船上山に下る登山者は少なく、大山をめざし登っていくのが一般的みたい。

20191014縦走10.jpg

甲ヶ山山頂(1,338m)に到着。

三角点もないけれど、このピークも「中国百名山」になっている。

20191014縦走11.jpg

振り返った甲ヶ山の姿。

ここからしばらく細い岩の岩稜となり、大岩を一つ乗り越すのに苦戦。

頼りない木綿製のロープが付いていたけど、岩をよじ登って上から見たら擦り切れちぎれかけていた(ロ。ロ;

いずれにしても、矢筈ヶ山から船上山手前までは、どこかの山岳会なり自治体が責任をもって維持しているわけではなさそうなので、自己責任の世界と考えて慎重に進んだ方がいいでしょう。

20191014縦走12.jpg

勝田ヶ山あたりまで来ると、もう一般的な樹林の中の道となり、緊張感は遠のく。

相変わらず立派なブナの中、「至天王屋敷」という標識に出合う。

隠岐に流されていた後醍醐天皇が、伯耆の豪族名和長年に迎えられ、再起を期すためしばらく潜伏した「船上山行宮跡」への道らしい。

20191014縦走13.jpg

ゆるやかなブナ林の斜面を下ると、船上神社の境内に出る。

船上山の三角点は615.4m、最高点は船上神社の裏手にあって687m。

このへんがよく分かっていなくて、山上をぐるぐるしたけど、あまりこの最高点は重視されていないみたいで、避難小屋などのある三角点周辺を目的とすることが多いよう。
20191014縦走15.jpg

いずれにしても、船上山は、山上が平らなのに、その直下が急峻な断崖になっているところが最大の見どころ。

船上山は、後醍醐天皇方の名和長年と鎌倉幕府方の佐々木清高との間で船上山の戦いが繰り広げられた古戦場でもある。

いかにも、そんな歴史の舞台にふさわしい、個性ある姿の山でありました。

大山の表登山口のある大山寺あたりで、ポケモンをたくさん捕まえた連れ合いと合流、帰路についたのでありました。

20191014縦走1.jpg

<登山記録> (−:車、…:徒歩)  (↓地図クリックで拡大)

2019年10月13日(日) 曇

自宅4:30―(船上山登山口下見など)―新小屋峠13:10…烏ヶ山山頂14:45~15:00…新小屋峠16:25…象山16:45…休暇村奥大山17:20(泊)

14日(月) 曇時々霧雨

休暇村奥大山5:40ー川床中国自然歩道入口6:35…大休峠…矢筈ヶ山山頂9:35~9:45…甲ヶ山山頂11:00…勝田ヶ山山頂12:10…天王屋敷分岐12:55…船上神社(山上部徘徊)13:45~14:15…東坂登山口14:35―(帰路)

 

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小金沢連嶺 小縦走

ぼっちの『岐阜百名山』勝手に選定委員会」の取り組みで県内の山ばかり登っていると、目線がかたよってくるのを感じる。

時々は、それを直すため、ベンチマーキングすべき他の山岳県の山も訪問してみたいもの。

ということで、9月16日、日本百名山大菩薩嶺の南に連なる山梨県の小金沢連嶺を小縦走。

 

小金沢連嶺は、主峰の小金沢山(2,014m)、牛奥ノ雁ヶ腹摺山、黒岳、白谷ヶ丸、大蔵高丸などが北から南へ連なっている。

稜線上の標高約1,650mの地点にある湯ノ沢峠まで車で入れ、アップダウンも少ないので、日帰り小縦走が可能。

それぞれの山が、一等三角点百名山(黒岳)、山梨百名山(小金沢山、大蔵高丸)、日本一長い名前の山(牛奥ノ雁ヶ腹摺山)と、お値打ち感ある山域であります。

それでは、いざ実登 (ロ。ロ)/オウ

勝沼インターから、国道20号線、県道県道218号線、林道をたどって湯ノ沢峠へ。

峠直前の未舗装になってからの路面が、雨で大きくえぐれ、空転やパンクをしないよう慎重に進む。

避難小屋のある峠に駐車、まず北にとって、小金沢山まで往復し、その後南にとって大蔵高丸まで往復する計画。

登山計画書を出す代わりに、行先の山のカウンターを押す方式が珍しい。

20190916黒丸2.jpg

樹林の中をしばらく進むと、最初のピーク、白谷ヶ丸(しろやがまる:1,920m)が霧の中に見えてくる。

草原状の山容で、晴れれば富士山の展望がばっちり得られる場所のよう。

登山道が深くえぐれているのは、東京圏からのハイカーがそれだけ多いからなんでしょう。

(山馬鹿岐阜県民目線からすると、伐採後のはげ山みたい。)

20190916黒丸3.jpg

あいにくの雨がふりだした。

展望が売りの山域のせいだろうか、大勢の登山者の踏み跡が残るのに、今日は登山者なしで静か。

白谷ヶ丸と黒丸の間は広葉樹林に包まれ、「やまなしの森林百選:黒岳の広葉樹林」に指定されている。

(通過に10分くらいしかかからないんですが。。)

20190916黒岳5.jpg

樹林を抜け、大きな一等三角点標柱のある、「一等三角点百名山」黒岳(1,988m)の山頂に。

(ここも、森林限界より低いのに、山頂南側は、木もないササ原。)

20190916黒岳6.jpg

黒岳を後に、牛奥ノ雁ヶ腹摺山へ向かう。

雨が激しくなり、登山道が水たまりだらけでピッチが上がらない。

(このあたりの樹林は、針葉樹の伐採後の二次林だろうか、ひょろひょろして、立ち枯れや倒木ばかり。)

出ました、珍名の山ハンターとしては、今回もっとも立ちたかったピーク、牛奥ノ雁ヶ腹摺山(1,9809m)。

普通、山の名前というと、呼びやすさもあってか、4〜6文字くらいが多い。

長い名前の山というと思い浮かぶ、カムイエクウチカウシ山でさえ12文字なのに、14文字とはすごい。

(北海道百名山のひとつ1839m峰が、「せんはっぴゃくさんじゅうきゅうめーとるほう」の21字でダントツ最長かと思ったら、「いっぱーさんきゅうほう」と呼んで11字なんだとか。)

20190916黒岳8.jpg

ササと針葉樹の疎林を抜け、小金沢山山頂に立つ。

(雨あがりで雲がたれこめ、展望が得られないと、これといって個性なし。)

20190916黒岳9.jpg

湯ノ沢峠まで引き返し、大蔵高丸に向けて南下。

ようやく、雲が上がって、丸い、樹林に包まれた山容が見えてくる。

(どこといって個性のない丸い山容。)
20190916黒岳10.jpg

旧湯ノ沢峠周辺は草原のお花畑になっている。

しっかり食害除けの柵が張り巡らされているので、アザミ、ニガナ、ワレモコウ、アキノキリンソウなどの花が咲いている。

カエデを中心とした広葉樹林が、こちらは全山覆っていた。

20190916黒岳12.jpg

峠から40分ほどで大蔵高丸山頂に到着。縦走路はさらに、ハマイバ(破魔射場)丸へと続く。

本当なら、山名看板の向こうに富士山がドンと見えるはず。

(見えなきゃ、登った甲斐ないかも。)

20190916黒岳11.jpg

山馬鹿岐阜県民目線で、ケチばかり付けて、山梨県民の皆さま、すみません。

物ごとは、表裏どちらから見るからですよね。

 

【山梨県の山の傾向】

明治初期の林政混乱期に乱伐して樹林が貧相 ⇔ 森林限界以下の標高の山でも展望絶佳

展望がきかない日にはさしたる個性がない  ⇔ 晴れれば天下無敵の富士山の大展望という山梨県山岳共通の一大個性あり

ハイカーが多数入り登山道がえぐれている  ⇔ 東京から気軽に登れる、地元の活性化に寄与

 ※「山梨百名山」の場合、富士山が見えるかどうかが選抜の大きなカギで、日本300名山にもなっていないような低山だと、

  眺望の評価ウエイトが特に高く、山容、自然度の評価ウエイトが低めの印象。

 

【岐阜県の山の傾向】

手付かずの広葉樹林の豊かな森を持つ山が多い ⇔ 豪雪に半年近く閉ざされるため、登山道がない山も多い

                      ⇔ 樹林におおわれ、無雪期には展望のきかない山も多い

                      ⇔ 都市圏の登山者にとっては、気軽に登れない山も多い、地元活性化に寄与なし           

 ※このような傾向の岐阜県の場合、豊かな自然を持ちながら、展望もいい山は、次のような条件付きとなる。

   /肯啗続Δ鯆兇┐觜盪(飛騨山脈や白山連峰など)

   ⊃肯啗続Π焚爾世山頂が自然または人為的に展望が確保された山(前者は白木峰など、後者は貝月山など)

   積雪期狙いの山(笈ヶ岳、猿ヶ馬場山など)

  評価要素を、標高、山容、眺望、自然度、愛山度をほぼ同程度に評価してほどほどいいというのは、岐阜県の山の特性が前提としてのことなんだなあと再認識した次第。

 

 気軽に楽しめる山に恵まれた山梨県と、ややとっつきにくいけど自然と静けさに恵まれた山が多い岐阜県。

 みんなちがって、みんないいけど、岐阜県の山は、山慣れした上級者の方が、より魅力的に映るんじゃないかともおもう。

 

<登山記録>  (―:車、…:徒歩)

2019年9月16日(月・祝)  雨のち曇 単独行

大坐小屋4:00―勝沼I.C.―湯ノ沢峠8:00…白谷(しろや)ノ丸山頂9:00…黒岳山頂9:15…牛奥ノ雁ヶ腹摺山山頂10:40…小金沢山山頂11:35〜11:50…牛奥ノ雁ヶ腹摺山12:25…黒岳13:30…湯ノ沢峠14:25…大蔵高丸15:05〜15:15…湯ノ沢峠15:45―(帰路)

<メモ>

・小金沢連嶺を世に知らしめたのは、大正から昭和にかけて活躍した「霧の旅会」という山岳会。

 石丸峠から小金沢山を経て湯ノ沢峠へ至る尾根をそのように呼んだのだとか。

・牛奥ノ雁ヶ腹摺山は、かつてあった牛奥という集落の名前にちなみ、牛の奥には、牛を置く、牛の牧場との意味もあるという。

 この地域には、かつての五百円札の富士山撮影地雁ヶ腹摺山(1,847m)、笹子雁ヶ腹摺山(1,358m)と3つの雁ヶ腹摺山がある。

 雁は尾根を越える時、できるだけ低く飛ぶことにちなむ。

 渡り鳥である「雁」の付く地名は、山梨県の富士山の北あたり(雁穴、帰雁)から、大菩薩連嶺の3つの雁ケ腹摺山を通り、雁峠・雁坂峠を経て、埼玉県の雁掛峠、群馬県の雁ケ沢、新潟県の雁ケ峰、雁ケ峰峠と山越えし、上越市の日本海沿い(雁平川、内雁子)まで、ほぼ南北一直線につながっている。かつてはきっとものすごい数の雁が、このあたりをルートに北へと渡っていったんでしょう。

・山を「丸」と呼ぶのは、韓国語の山の呼称にちなむといわれる。

 大菩薩嶺の南の地域、丹沢とともに、岐阜県だと越美山地など特定地域に集中する。

 帰化人との関係も言われるが、ほかに「丸」は「誰々さんの領地」や、砦の意味にも使われるので、吟味がいるのかもしれない。

 

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北海道・夏山旅―花の富良野岳(1,912m)

12日  北海道の夏山旅最終日。

大雨で9日に登れなかった富良野岳に、何とか登っておきたい。

5時前に旭川のホテルを出て、登山口に向かう。

20190812富良野岳1.jpg

十勝岳温泉の登山口を、5時55分出発。

原始ヶ原までつなぐのは断念したけど、せめて「北の大地の大縦走」で登り残した上富良野岳から富良野岳の稜線は歩きたい。

15時半旭川空港発に確実に乗れるよう、先に富良野岳に登り、時間が許せば上富良野岳をめざすこととする。

20190812富良野岳2.jpg

ヌッカクシ富良野川に沿う登山道は、途中まで上ホロカメットク山経由十勝岳へのルートと、富良野岳へのルートが重なっている。

対岸に上ホロカメットク山の尾根上にある奇岩「化物岩」が見えてくる。

20190812富良野岳3.jpg

川を渡って直進すると、安政火口。富良野岳には化物岩の直下を巻いていく。

左手には、二本の柱のような奇岩、夫婦岩。

20190812富良野岳4.jpg

谷の間から、登山口の凌雲閣の建物と、富良野盆地を見下ろす。

展望が得られたのはここまで。後は、雲や霧の中を行くことになる。

20190812富良野岳5.jpg

化物岩の尾根を巻いたところで、左手に上富良野岳・上ホロカメットク山・十勝岳へのルートを分ける。

もう一つ沢を渡ったあたりから、高山植物が目立ちはじめる。

チングルマなど雪解け早くの花はもう終わり、ヨツバシオガマ、エゾウサギギクなど。

特にエゾウサギギクは斜面を覆うほどの群落。富良野岳は花の山と聞いていたけれど、本当だな。。

20190812富良野岳6.jpg

タカネキタアザミも大きな群落をつくっていた。

20190812富良野岳8.jpg

十勝連峰の主稜線に出る。右に取ると富良野岳、左に取ると十勝岳。

富良野岳山頂への砂礫の登りは、単調な木の階段がながなが続き、視界もきかず、もくもくと進むしかない。

 

荷物が少ないこともあって、8時40分、コースタイムよりは早めに山頂に到着。

この時間なら、何とか主稜線を上富良野岳までたどって周回できそう。

富良野岳も一等三角点の山。晴れれは展望はさぞやでありましょう。

20190812富良野岳10.jpg

山頂直下の大斜面は、高山植物の大群落が展開。

一面花盛りの薄紫のトカチフウロの中に チシマノキンバイソウが鮮烈な黄の彩りを添える。

これだけの花を見れば、展望がきかずとも登った甲斐があった。

20190812富良野岳9.jpg

帰路は、上富良野岳経由の稜線縦走コースに入る。

20190812富良野岳11.jpg

途中三峰山(1,866m)を通過する。地図を見るとその名のとおり、3つのピークを持つらしい。

霧が濃すぎて、どこが山頂なのか山名標識を見るまでわからなかった。

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富良野岳を離れるほど、花は少なくなり、わずかに咲く濃いピンクのエゾノツガザクラがよく目立つ。

20190812富良野岳13.jpg

主稜線をもくもく歩くこと約2時間、さあ、もうそろそろフィナーレは近い。

20190812富良野岳14.jpg

ようやく、上富良野岳の山頂に到着。

何も見えないけど、大雪山系と十勝連峰の主稜線をようやく富良野岳までつなぐことができ、うれしい。

北海道の夏山旅、何かと帳尻を合わせてくれた連れ合いには感謝であります。

20190812富良野岳15.jpg

<登山記録> (―:車、…:徒歩)   (↓地図クリックで拡大)

2019年8月12日(月・山の日) 単独行

旭川ホテル4:50―十勝岳温泉登山口(駐車)5:55…上富良野岳方面との分岐7:05…富良野岳分岐8:10…富良野岳山頂8:40〜8:50…富良野岳分岐9:20…三峰山10:25…上富良野岳11:10…十勝岳温泉登山口13:05

 

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北海道・夏山旅―知床火山 羅臼岳〜硫黄岳縦走(2)

11日、二ッ池キャンプ地の夜明け。

行く手の南岳から日が昇る。5時15分出発。

20190811知床1.jpg

ハイマツをかき分けながら縦走路を南岳山頂まで登ると、行く手に、硫黄山までの稜線が見えてくる。

昨日以上にいい天気でよかった。

20190811知床2.jpg

南岳から知円別岳山頂までは、稜線を離れ、なだらかな斜面を横切っていく。

何でもない風景のようで、気分を大きくしてくれるのが北海道の山のいいところ。

20190811知床4.jpg

ふたたび登り切ったところが知円別岳ピークの直下。

ここからは縦走路は硫黄臭ただよう稜線をたどることになる。

硫黄岳の火口は、稜線の東と西それぞれに下側が欠けた馬蹄形に開いている。

20190811知床5.jpg

稜線上には溶岩ドームの南峰と、その先に硫黄山本峰がそびえる。

左手火口側にも、ナマコ山溶岩ドームがある。地球が生きていると感じるスポット。

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左手側の火口の向こうに、羅臼岳からえんえんと続く縦走路を眺めることができる。

20190811知床1.jpg

右手側の火口壁にあたる東岳(1,520m)。登山道はない。

その先、雲から突き出しているのが知床岳(1,254m)。これも登山道はない。

20190811知床7.jpg

硫黄山本峰は、尖ってピーク感がしっかりある。

その基部を通る縦走路に荷物をデポして(クマがいないことをしっかり確認のうえ)山頂を往復。

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大きな一等三角点の据えられた山頂に立つ。

「一等三角点百名山」というのになっているのも納得の展望であります。

20190811知床11.jpg

下山はまず、火口壁を下る。

20190811知床2.jpg

その後火口壁を離れ、上流部は涸れ川の、硫黄川の川床を下っていく。

水が出る時は激流になるようで、岩の川床は磨いたように削れ、滝に出合うと巻きながら下っていく。

雨の時は、滑ってしまうだろうし、どのように水が出るか分からないので、相当な難所になるはず。

20190811知床3.jpg

登山道は、硫黄川を途中で離れ、ハイマツの尾根をたどる。

尾根取付点は、ロープで止めてあるけれど、うっかりこの地点を行き過ぎてしまうと、硫黄川の下流部は滝の連続となるので要注意。

20190811知床4.jpg

ハイマツの尾根を大下りすると、岩だらけの場所に出る。

ここが、新噴火口で、江戸期以降の水蒸気噴火は、ここで発生している。

硫黄山の噴火の特色は、多量の溶融硫黄を噴出することで、世界的にも珍しい噴火形式なんだそう。

やや下手には、その硫黄を採掘した跡がある。

20190811知床5.jpg

フィナーレは、ミズナラなどの樹林帯。最後に、海に面した登山口にぽんと出る。

20190811知床8.jpg

登山口の案内板には、羅臼岳から硫黄山の縦走路のヒグマ目撃情報がのっている。

羅臼岳周辺に多くみえるのは、単に登山者数が多いためからなんじゃないかな。。

20190811知床7.jpg

登山口から、観光名所となっているカムイワッカの滝までは、約600m。

この区間が要注意で、特別に落石が多い箇所として、通行に申請がいる。

通過してから、振り返ると、道の上にネットで覆われた巨大な岩塊が連なり、とても危険な個所なんだと納得。

20190811知床9.jpg

無事カムイワッカの湯の滝バス停に到着。

8月1日から25日までは、滝までの自家用車の乗り入れは禁止され、シャトルバスを利用することになる。

ただし、二ツ池テント場であった常連さんの話では、このバスの乗り方がむつかしいらしい(詳しくは<メモ>参照)。

13時33分のウトロ行のバスは、通常運航のバスだから乗りやすいよ、とうかがっていて、何とかそれに間に合った。

天候・アプローチ・ヒグマ・足のコンディションなど、多くの課題を乗り越え、無事縦走を完遂でき、よかった、よかった。

20190811知床10.jpg

<登山記録> (―:車・バス、…:徒歩)

2019年8月10日(土) 曇時々晴  単独行

ウトロ4:30ー岩尾別温泉羅臼岳登山口5:25…弥三吉水6:50…羅臼平8:40〜8:50…羅臼岳山頂9:35〜10:00…羅臼平10:40…三峰11:25…サシルイ岳12:50…オッカバケ岳14:00…二ツ池テント場14:15(泊)

11日(日) 晴のち曇

二ツ池5:15…南岳…知円別岳7:40…硫黄山分岐8:55…硫黄山山頂9:15〜9:30…分岐9:45…硫黄川から尾根への取付点11:10…硫黄鉱山跡…硫黄山登山口13:10…カムイワッカの湯の滝…同バス停13:20〜13:33―知床自然センタ13:55ー―旭川市内19:50(ホテル泊)

 

<メモ>

本ルート縦走には、以下の通り多くの注意点があるので、事前に確実に情報を確認し、準備したいところ。

【火山としての注意点】

・知床連山は火山であり、特に硫黄山は1930年代にも水蒸気噴火が連発した活火山なので、登山には注意が必要。

 火口壁からの滑落、落石にも注意。

【ヒグマへの注意点】

・知床は、ヒグマの有数の生息地なので、熊対策と、直前の情報収集は怠りなく。

 今回は、熊鈴と熊笛各2(落としてもいいように複数)、クマよけスプレーを携行。

 テント場の羅臼平、三峰直下、二つ池には、フードストッカーが設置されている。

 今回は、簡単な調理で済むにおいの少ない食材を持参した。

 また、登山口に、熊目撃情報が掲示されているので参考に。

【雨天時の注意点】

・雨天時には、硫黄山から涸れ川の硫黄川の川床をたどって下山する部分が難所となる。

 晴れて乾いていても枯滝のある岩だらけの谷なので、雨が降ったら滑りやすく歩行の難易度は相当上がるはず。

 悪天の日の入山は、避けるのが賢明でしょう。

【硫黄山登山口までの道路通行制限】

・硫黄山は、バス停のあるカムイワッカの滝から硫黄山登山口までの区間(約600m)は、落石の危険が多い。

 その危険を理解した上で、「道路特例使用申請書」を北海道オホーツク総合振興局に出せば、登山者に限り徒歩通行が許可される。

 詳しくは、知床自然センターのHPへ。

【カムイワッカ湯の滝までの自家用車通行禁止期間】

・カムイワッカの滝までの道路は5月末から10月下旬まで通行可能。

 ただし、8月1日〜25日は混雑防止のため自家用車通行禁止で、知床自然センターから滝までシャトルバスを利用することになる。

 お盆の間は増発されるが、知床五胡バス停では、ここに長時間駐車させないため切符を販売していない等使い勝手が悪いので注意。

 本数は少ないが、ウトロまで行くバスの方が、安心して利用できる。

 詳しくは、知床自然センターのHPへ。

【岩尾別温泉とカムイワッカ湯の滝の連絡】

・岩尾別温泉行のバスはない。道道沿いの岩尾別バス停からでも3.2辧

・知床自然センターから歩くと7.5辧■瓜間45分必要。

 

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北海道・夏山旅―知床火山 羅臼岳〜硫黄岳縦走(1)

知床半島中央部に連なる、羅臼岳(1,661m)を最高峰とする火山群。

知床連山、知床連峰とも呼ばれる山々のうち、羅臼岳と一等三角点の硫黄山(1,562m)をつないで、縦走路が開かれている。

途中に山小屋はなく、2泊3日または1泊2日のテント泊が前提、手付かずの自然が残る世界遺産知床はヒグマも多い。

そんなワイルドなルートに「縦走主義でいこう!」と挑戦。久しぶりに武者震いするような計画であります。

 

ルートの概要は、【登山口】岩尾別温泉(または羅臼温泉)〜羅臼平(羅臼岳往復)〜三峰(1,509m)〜三峰テント場〜サシルイ岳(1,564m)〜オッカバケ岳(1,462m)〜二ツ池テント場〜南岳(1,459m)〜知円別岳(1,544m)〜硫黄山(1,562m)〜カムイワッカの滝【 下山口】 (←地図クリックで拡大)

 

 

 

 

 

10日、緯度の高い北海道の夜明けは早い。

ウトロから登山口の岩尾別温泉に連れ合いに送ってもらう途中で夜明けを迎える。

右端の羅臼岳から、左端の硫黄山までなんとか完登したいもの。

20190810知床1.jpg

岩尾別温泉の登山口に立つ木下小屋。

昭和初期、知床をこよなく愛し登山道を開いた木下弥三吉にちなむという。

熊鈴を付け、それでは行ってきます (ロ。ロ)/

20190810知床2.jpg

登山口からしばらくは、ミズナラやカエデの木が多い。

羅臼岳はこれで3度目だけど、登山道の記憶が残っていないのは、「日本百名山」羅臼岳のピークしか見ていなかったからかな。。

20190810知床3.jpg

しばらくで、ハイマツやダケカンバの急登となり、弥三吉水という水場を過ぎ、極楽平に出るとやや緩やかになる。

沢沿いに出ると、仙人坂と呼ばれる長い登りとなる。

20190810知床4.jpg

ハイマツの中の羅臼平から見上げる岩の頭を持ち上げた羅臼岳。

この光景だけは、しっかり覚えている。

20190810知床5.jpg

羅臼平に、テント泊の重い荷物をデポして羅臼岳を往復。

海はすっかり雲海に覆われ、今回縦走する峰々が、恐竜の背中のように連なっている。

20190810知床6.jpg

羅臼平に戻り、重い荷を背負いなおして、硫黄山への縦走路に入る。

ハイマツや、ミヤマハンノキが登山道に覆いかぶさり、タカネトウウチソウの穂花が咲き乱れる全く静かな路となる。

20190810知床7.jpg

三峰へ登りながら振り返ると、羅臼岳が羅臼平から見上げた時より、ずっと立派にそそり立っている。

ピークハントだけじゃわからない山の様々な姿が見られるのも、縦走のいいところ。

20190810知床8.jpg

三峰直下のキャンプ場を過ぎ、サシルイ岳をめざす。

縦走路沿いは一面チングルマの群落。今は花も綿毛も終わって、緑一色。

サシルイ岳は、小ぶりの丸い火山岩がごろごろして、重い荷を背負った足にはこたえる。

20190810知床9.jpg

窪地には、残雪がわずかに残り、エゾコザクラの大きな群落に出会う。

ハクサンコザクラなどよりやや控えめな花も、若緑の中にこれだけたくさんちりばめられると、ほれぼれする。

20190810知床12.jpg

おだやかで、歩きやすいオッカバケ岳を越えると、二ツ池のテント場。

池の水を煮沸してなんて、地図には載っていたけれど、少し手前の小さな雪田で水がとれますよ、と先行のキャンパーに教えてもらう。

知床が好きな釧路の方で、今夏4週末連続このルートを歩いているそう。恐れ入りました。

20190810知床10.jpg

教えてもらった通り、雪田の下から雪解けの水が流れ出ていた。

ここにも、エゾコザクラの群落が。

20190810知床11.jpg

テント泊の重い荷物だと、足の裏にかかる負荷も大きい。

先週の岳沢テント行と連続で、親指の爪がはがれかけている。何とかだましながら明日をしのごう。

それでは、おやすみなさい。

<(2)に続く>

 

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春雪の白山美濃禅定道(3)―復路も大変

4月29日(月・祝)

長大な白山美濃禅定道は、復路も登り返しが多く、室堂から2日がかり。

6時30分、冬季避難小屋を後に、まずは弥陀ヶ原を経由して南竜ヶ馬場まで大下り。

弥陀ヶ原には、石川県側から入山した人たちの足跡や、スキーのシュプールがたくさん残されている。

行く手の別山に雲がかかってきたのが心配。

20190429下山1.jpg

ほとんどの登山者・スキーヤーは、砂防新道方向を往復し、南竜ヶ馬場は経由しないらしく、いつしか人の姿はまったくなくなる。

往路と同じように、油坂は通らず、2,244mピークを経由して別山をめざす。

20190429下山2.jpg

2,244mピークでひと休み。

改めて油坂の頭(画像左手)方向を見ると、急傾斜のアイスバーン状で、こちらのルートの方がずっと安全かつ楽なのが分かる。

20190429下山3.jpg

難所の大屏風にさしかかるあたりで、霧が垂れ込め始める。

自分たちの足跡が残されているものの、緊張感をもって登り返す。

20190429下山4.jpg

風が強くなり、ハイマツも真っ白。

20190429下山路.jpg

何とか、大屏風を通過。

振り返ると、稜線からはみだした雪庇がものすごい。

20190429下山5.jpg

御舎利山まで長い登り返しをしのいで、別山でひと息。

往路は白山を眺めながらのんびりできた場所も、風が吹きすさぶばかり。

20190429下山6.jpg

別山から大下りし、三ノ峰まで登り返すと、一昨日泊まった避難小屋が見えてくる。

12時45分小屋に到着。室堂からここまで、6時間あまり。

明日の天気も分からないので、昼食の大休止後、デポしておいた食料をザックに入れ、もう一つ下の神鳩避難小屋をめざし再出発。

20190429下山7.jpg

三ノ峰避難小屋直下の斜面がひどくきつく、ピッケルを突き立てながら通過。

今冬の積雪期訓練が活かせた。

20190429下山8.jpg

銚子ヶ峰まで下って、ようやく一安心。

心配していた天気の方も、何とか持ちこたえ、往路はまったく見えなかった別山方向も眺められる。

階段状に並ぶ一ノ峰、二ノ峰、三ノ峰は、雪解けがかなり進んでいるのが分かる。

20190429下山9.jpg

16時55分、何とか神鳩避難小屋に到着。

しばらくして、雨がひどく降りだし、ここまで下りておいた判断はナイスだったとひと安心。

20190429下山10.jpg

4月30日(月・祝)

最終日は、平成の最終日でもある。

昨夜、小屋の外はものすごい嵐だった。

天気のやや落ち着くのを待ち、合羽を着こんで8時50分出発。

昨夜の雨で、雪解けが一気に進んで、尾根道は往路と様変わり。

20190430下山11.jpg

足もとには、いつしかバイカオウレンの白い小さな花が咲き始めている。

20190430下山12.jpg

小屋から1時間40分ほどで、石徹白大杉を経て、石徹白登山口に10時50分無事到着。

Nuリーダーは、登山口の湧き水を、美味しそうに飲まれる。

 

大杉林道を下り、石徹白集落の白山中居神社にお礼参り。

往復40匐瓩だ兩禊白山美濃禅定道を踏破でき、ずっしりとした手ごたえを感じることができ、感謝であります。

20190430白山中居神社.jpg

<登山記録> (…:徒歩、―:車)

2019年4月29日(月・祝) 曇時々晴のち霧、夜風雨強し

室堂6:30…南竜ヶ馬場7:30…2,244mピーク8:00…御舎利山…別山10:55〜11:10…三ノ峰山頂12:30…三ノ峰避難小屋(昼食)12:45〜13:30…銚子ヶ峰山頂16:00…神鳩避難小屋16:55(泊)

4月30日(火・祝) 朝方風雨強しのち小雨

神鳩避難小屋8:50…石徹白大杉10:20…石徹白登山口10:35〜11:00―白山中居神社11:15―(満天の湯入浴後帰路)

<メモ>

〇積雪期の白山美濃禅定道登山について

 ・白山中居神社から石徹白登山口までの大杉林道は、通常ゴールデンウィークに開通するが、積雪次第で閉鎖のままの年もある。

  郡上市白鳥地域振興事務所が道路管理をされているので、確認しておくのが望ましい。

  なお、3月頃の大杉林道は、何箇所か雪崩のリスクのあるポイントがあり、通過は十分な注意が必要。

 ・途中の神鳩避難小屋は、冬季は2階から入る構造になっていて通年使用できる。

  携帯トイレ以外使用できないので、相応のマナーを守ってください。

 ・美濃禅定道は、夏道はよく整備されているが、積雪期はまったく自己責任の山。

  標高も高いだけに、天候が崩れると踏破は難しい。勇気ある撤退も覚悟すること。

 

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