WALK あばうと 日本4,000山

「新日本山岳誌」掲載の約4000山が修行の地。 めざせ山仙人!
「美濃百山」 刈安山

「美濃百山」ラスト16は、温見峠を挟んで能郷白山と向かい合う刈安山。

2万5千分の1地形図に山名はなく、1,301.7m地点の三角点の基準点名が「刈安」となっている。

最高点はそれよりやや西で、1,310mあまりといったところ。

能郷白山の温見ルートの途中からは、この山の向こうに白山が見える。

登山道はなく、峠の延命地蔵のお堂の左手の境界杭あたりから、岐阜・福井県境の尾根に取り付く。

能郷白山の山頂で1時間近く山座同定していたので、出発は12時になってしまった。

20191016苅安山1.jpg

二次林のブナ林に、びっしりのチシマザサの中、踏み跡が何とかついている。

峠から標高差は300mあまり。最初はササにしがみつきながらの急登。

ブナは、東隣の越山に比べれば二次林で若いけれど、黄葉の見頃が始まっている。

20191016苅安山6.jpg

ピークが近づくにつれ、ゆるやかになり、尾根は曖昧になって踏み跡も不確かになるので赤テープを付けながら進む。

峠を12時に出発し、標高1,310mあまりの最高点に14時35分到着。標高差300mあまりに2時間半か。。

標高1,301,7mの三角点は直線距離で300m弱東。

このピッチで向かうと下山は日暮れ近くになるかもしれないので、GPSが刈安山と表示する最高点で登頂とする。

周辺は、背を超すチシマザサで、期待した白山方面の展望は得られなかった。

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ササを踏み倒して、何とか能郷白山を拝むことはできた。

20191016苅安山5.jpg

帰路は、分かっていても見通しのきかないあいまいな地形で、獣道が相当錯綜しているため、赤テープを見逃しがち。

別の尾根に入りかけることを2度繰り返し、リカバリーに相当時間がかかり、峠には16時15分帰着。

三角点に寄らなくて正解だった。

 

分かっちゃいるんだけど、今回も改めて反省した点。

・ヤブ山の場合、最初は踏み跡があっても、残雪の残りがちな山上に向かうほど、踏み跡は不明確になる。

・加えて、山頂という目標物が見えてくると、疲れも出る頃で無意識のうちに赤テープを付ける間隔が長くなりがち。

・しかし、いざ下山となると、目の前はヤブだけしか見えない。

 山の上部ほど、少しのルート外しが下るほどに大きな食い違いとなり、ためらっているうちに登り返しがどんどんきつくなる。

山の上部ほど、これでもかというくらい頻繁に赤テープを付ける習慣を身につける必要がある。

今回の山修行で、改めて学んだことでありました。

 

<登山記録> (…:徒歩) (↓地図クリックで拡大)

温見峠12:00…刈安山最高点14:35~14:40…峠16:15

<メモ>

刈安とは、山野に自生するイネ科ススキ属の植物で、黄色い染料に使われた。

名前のように刈りやすく入手しやすかったため染料として多用された。

これで染められた色も「刈安」という。

| ぼっち | 美濃百山 | 10:04 | comments(0) | trackbacks(0) | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!
「美濃百山」について

ぼっち地元の山岳会では、「美濃百山」というのをリストアップしている。

難易度でA級・B級・C級と分け、C級は道なきヤブ山が中心。

「『岐阜百名山』勝手に選定委員会」の取り組みで、84山までは登ったけれど、候補リストにもあがらない16山が未踏。

このへんになると「新日本山岳誌」のあばうと4000山には当然入らない、地味な山ばかり。

 

【A級】
烏帽子岳(鈴鹿)、池田山、鍋倉山、貝月山、舟伏山、妙法ケ岳、塔ノ倉、飯盛山、魚金山、釜ケ谷山、冠山

大白木山、高賀山、蕪山、瓢ヶ岳、今渕ケ岳、天王山、相戸岳、北山
見当山、富士見台、屏風山(瑞浪)、三森山、納古山、二ツ森山、笠置山、見行山、寒陽気山、尾城山、雨乞棚山
【B級】
養老山、笙ケ岳、伊吹山、御座峰、鎗ケ先、虎子山、三国岳(鈴鹿)、小島山、金糞岳、小津権現山、ブンゲン

岩岳、三周ケ岳、金草岳、能郷白山、刈安山、高屋山、日永岳、クラソ明神、銚子ケ峰、鷲ケ岳、大日岳、三尾山

烏帽子岳(明宝) 
大洞山、奥三界山(岳)、三界山、南沢山、高時山、夕森山

【C級】
土蔵岳、三国岳、湧谷山、蕎麦粒山、天狗山、ミノマタ、五蛇池山、花房山、タンポ、雷倉、高丸、烏帽子山

美濃俣丸、笹ケ峰、不動山、千回沢山、釈迦嶺、若丸山、杉倉、上谷山、磯倉、蝿帽子嶺、屏風山、左門岳

平家岳、明神山、ドウの天井、滝波山、野伏ケ岳、願教寺山、薙刀山、小白山、芦倉山、丸山
恵那山、焼山、ロクロ天井、
男埵山、小秀山、井出小路山

 

ちなみに、「ぎふ百山」の越山、毘沙門岳は、このリストからさえこぼれている。

毘沙門岳は、ゴルフ場ができ登山口までの通行や駐車を拒否されるなど登って気分が悪い山だかららしい(その評判はよく聞きます)。

越山(1,120m)は、ぎふ百山にも続ぎふ百山にも入っていない西隣の刈安山(1,302m)より低いからだからだろうか。

 

美濃の山馬鹿としては、「そこに山がある」以上、これら16山を登り終えるのを、来年の登山目標としたいと思っている。

完登すると、地元山岳会で金バッチがもらえるというのも、山バッジコレクターのぼっちとしては、「欲に目がくらむ」ところ。

山仙人をめざすといいながら、煩悩ばかりで、なんとしよう (ロ。ロ;ドウシヨウモナイヤツ

 

| ぼっち | 美濃百山 | 08:57 | comments(0) | trackbacks(0) | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!
秋晴れの奥美濃大展望台―能郷白山(1,617m)

5か年計画の「『岐阜百名山』勝手に選定委員会」の取り組みも4年目の秋を迎え、いよいよ佳境。

今後の課題は、猿ケ馬場山、笈ヶ岳、錫杖岳など、以前登っていて、当選は間違いないけれど、詳細な情報を残していない山の再踏査。

能郷白山も、2009年8月と、今年2019年3月に、能郷谷ルートから登っているけれど、最短ルートの温見峠からは登っていない。

奥美濃の調査の締めくくりとして、秋晴れの日を選んで再訪。

 

岐阜・福井県境に温見峠のある国道157号線は、昨年の西日本豪雨で岐阜県側は崩落し、本巣市根尾能郷から先は通行止めで復旧未定、猫峠を通る迂回ルートも同様に崩落で通行止め。

そのため、自宅から一般道70匱緻1時間40分で行けるところを、高速道路で福井県大野市側に回り1903時間20分かけて向かう。

 

大野市からは、日本百名山の荒島岳(1,523m)がよく見える。

母の実家があり、福井県立の高等学校に通学していた深田久弥には懐かしい山で、比較して能郷白山が選外となったのは有名な話。

逆に言えば、福井県大野市、岐阜県本巣市・揖斐川町にまたがる山ながら、福井側からは里から遠く見えないこともあって、あまり親しまれてこなかったということ。

山名が本巣市根尾能郷に由来すること、三角点が岐阜県側にあることも含め、岐阜の山と胸を張って言えましょう(逆は平家岳)。

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九頭竜川の支流、温見川を遡行し、峠に到着。岐阜県側は、全面通行止めで復旧の見込み立たず。

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登山口には、本巣市の山岳会が作成された立派なルート図がある。 (↓画像クリックで拡大)

チシマザサがしっかり刈り払われて歩きやすい登山道。

国道が近いだけに、ブナは伐採後の二次林だけど、だいぶん復活して、黄葉の下を気持ちよく歩ける。

20191016能郷白山3.jpg

「下のガラガラ坂」「上のガラガラ坂」など、難所注意の懇切丁寧な札もある。

ただし、初級者にとってはの難所という程度。

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坂を越えると、ササ原の道となり、背後には、刈安山の稜線越しに、白山がお出ましになる。その間に荒島岳。

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福井県側の姥ヶ岳から刈安山、越山、蠅帽子嶺と標高を下げた後に、屏風山がそそり立つ。

個人的には、同定の極めて難しい蠅帽子嶺を、最低鞍部の蠅帽子峠に雲が流れているため、しっかり同定できたのがうれしかった。

さらに、その後ろに平家岳、滝波山が重なり、はるか彼方に御嶽山。

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登山道は次第に緩やかになり、蒼空には、無数のイワツバメが飛び交っている。

うーん、いい気分。

 

1,492mポイントには「コロンブスピーク」との標識がある。

どうやら、コロンブスがアメリカ大陸を発見した年ということらしい。

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日陰には、霜がまだ残っていた。山では秋も深まってきたんだなあ。。

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峠から約2時間で能郷白山山頂に到着。一等三角点が据えられているのも納得の大展望。

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特に白山連峰〜飛騨山脈〜御嶽山・恵那山に至る東から北にかけての展望がすごい。(↓画像クリックで拡大)

越美山地東半分の展望も地味ながら、すこぶるいい。

山頂から少し西へ向かうと、白山神社の奥宮に出る。

今度は西側の展望がひろがる。

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前に来た時には木造の立派な社殿があったけど、昨年の台風で倒壊し、今は金属製のお社兼救急用品入れがある。

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奥宮からは、南から西にかけて、つまり、伊吹山地や越美山地西半分の展望が展開。

あまりに多くの山が見え、興奮しながら同定していたら、あっという間に1時間くらい経ってしまった。

20191016能郷白山14.jpg

本巣の山岳会作成の相当詳細な山名同定板をじっくり見ていたら、岐阜県側の山61までは登っていた。

福井県側の山を中心にあと20くらいは未踏。まだまだ登る山があるのはうれしい。

(↓画像クリックで拡大)

大興奮しているうちに、能郷谷側から男性が登ってき、下山していった。変なやつだと思われただろうな。

でも本当に変な山馬鹿だから仕方ない。

能郷谷からのルートは、前山あたりのブナが立派。

20191016能郷白山16.jpg

次に、温見峠から東にある刈安山にも登るので、名残りを惜しみながら下山。

20191016能郷白山17.jpg

連続する台風の被害に遭われた東日本を中心とした皆さま、お見舞い申し上げます。

西日本では、昨年連続して襲った台風の被害がいまだ大きな爪痕を残し、登山道や、アプローチの道路が寸断されたままの山がいくつもある。

東日本の山でも、今季同じようなことが起きているのだろうか。

山に通い続けるぼっちの実感として、2016年頃から、確実に日本の気候はおかしく・厳しくなっているのを感じる。

今まで当たり前に登れていた山に登れなくなるというのも、地球環境変化のひとつのあらわれ。

人に自然に過酷になる地球環境に対して、ささやかでも自分のできることを、やらねばと改めておもう次第。

 

<登山記録>  (―:車、…:徒歩)

2019年10月16日(水) 快晴 単独行

自宅4:40―福井I.C.―温見峠(駐車)7:40…能郷白山山頂9:25~9:35…奥宮9:40~10:30…山頂10:35…温見峠11:55…(狩安山へ)

 

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| ぼっち | 「岐阜百名山」勝手に選定委員会 | 22:46 | comments(0) | trackbacks(0) | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!
高知の夜 Jazz喫茶 Debby 訪問記

5日の夜は、高知市内のホテル泊。

高知の娯楽の中心といえば、「酒を呑むこと」。

飲み屋はすごく充実してるし、女性も実に元気に飲み歩いている。

今回は、それを晩酌程度にとどめて、向かうところがある。

学生時代の友人G君が始めた、ジャス喫茶、その名は「Debby」。

JR高知駅の北側、徒歩数分であります。

高知駅は、駅舎が新しくなって、南から北に行き来できる。

ホームへの階段では、高知の偉人、やなせたかし先生のアンパンマンたちが笑っている。

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表通りからちょっと入ったところに店はあった。

G君と会うの、10年以上ぶりか。どきどきしちゃうなあ。。

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店の名のDebbyは、もちろんビル・エヴァンスの名作”Walts for Debby”からとったもの。

店の入口にも飾ってあった。

G君、前にあった時とあまり変わらないまま、ジャズ喫茶のマスターに変わっていた。

もっとも、彼は、学生時代にジャス喫茶でバイトをやっていたから、客あしらいは板についている。

今夜も、レコードを持参したお客さんなどとジャズ談義。

緊張したぼっちは、隅の方で固まってアイスコーヒーをちびちび飲んでおりました。

ジャズ喫茶初体験の連れ合いは、あちこち見学。その後、―ポケモンGOをやりながら先に戻るね、と早々に帰っていった。

 

ようやく緊張しいのぼっちの耳にも、ジャズが心地よく聞こえはじめる。
ここには映っていないけど、JBL4338というスピーカーで、レコードも棚に並びきらなくて、食器棚の中にまで隠してある。

店は、昼間は奥さんがやり、仕事を終わった後、G君が交替してマスターに。

ジャズ喫茶だけでやっていけるほど甘くはないとのことだけど、愛するジャズの伝道を仕事にできるのはうらやましい。

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高知のジャズ史に残るポスターなんかも展示してある。

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お客さんたちが引け、なにかかけようかと言われ、

うーん、ジャスといっても、Gregory Porterか上原ひろみくらいしか知らないもんなあ (ロ。ロ;

と迷いつつ、こんなのをかけてもらった。

その後、G君が女性ボーカルのしっとりしたやつをかけてくれた。

俳優の奥さんだったとか言っていたけど、誰だったのかなあ、忘れてしまった。

 

明日もまた早朝から山登り。このへんで失礼するね。

お互い元気で、続けるべきことを続けよう。

 

最後にPR。

高知のジャズ喫茶Debbyは、人生をジャズに捧げたマスターがやっている、ジャズの図書館のような店。

心休まるひと時を楽しめます。

高知駅からも近く ―例えば、高速バスを待ちながら、ジャズで過ごすなんていうのもいいなあと思います (ロ。ロ)/

 

高知市栄田町3丁目12-23

Jazz &

Drinks      

Debby     

JBL4338

PM3:00~9:00

筺090-2890-7488

定休日:日曜・祝日・水曜は夜のみ

 

(↓地図クリックで拡大)

 

 

| ぼっち | OFF TIME | 06:27 | comments(0) | trackbacks(0) | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!
高知県一等三角点の山巡り(4)―工石山(1,516m)

10月6日、最終日。

高知県一等三角点の山巡り、ラストは、高知県大豊町・本山町にまたがり、愛媛県境に近い工石山(1,516m)。

高知市の工石山と区別するため、「奥工石山」「立川工石山」とも呼ばれる。

登山口は、大豊I.C.から県道5号線から林道に入った、標高約1,150m地点にある。

登山口の標高が高く、1時間あまりで登れるらしいので楽勝かなと思ったら、まったく甘かった。

 

県道5号線の愛媛県側が、昨年の西日本豪雨の影響で通行止めになったままなのは知っていたけど―

々眞梁Δ領川川名集落から林道に入ろうとしたら、吉野川支流の立川川の橋が流され復旧工事中で通行止め

⊂緡の立川集落に回ろうとしたら、県道5号線が半ば崩落し復旧工事中、鉄板を渡してあり何とか通過

N川集落から町道仁尾ヶ内線の入口にも橋流失のため通行止の看板。通行止めの期間は「復旧の日まで」

ダメ元で入っていくと、流失した部分はブルドーザーで仮復旧してあった。

 

岐阜県で過酷な林道はすいぶん見てきたつもりだけど、こんなすごいのは初めて(@。@;)キンチョウシタ

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舗装のまだらにしかない林道の状態は、標高を上げるほど、「超過酷」から「普通の厳しい林道」程度に落ち着く。

平日は、森林管理署の伐採作業も普通に行われているもよう。

登山口には、とても立派な避難小屋と、白山神社がある。

避難小屋をのぞくと、今の道の途中にあった仁尾ヶ内地区の住民がこの山の守りをされているらしい。

登る気喪失の連れ合いには、文庫本を読んでいてもらうことにして、熊鈴を付けいざ出発。

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登りだしの急斜面は、伐採作業のための作業道で登山道が分断され、難渋した。

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尾根に出てみると、伐採作業を避けた仮登山道が、尾根伝いに作られているようだった。

道は明確になり、ブナが目立ち始める。

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しばらくは、たんたんと尾根道を進むと、いきなり大岩が目の前に。

手前から岩に沿ってよじ登る。

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岩の上に出ると、ふたたび広葉樹林の中の道。初夏にはアケボノツツジなどが咲くらしい。

ただし、このあたり新しい獣のにおいがぷんぷん。笛を吹いて進む。

四国では剣山系にしかもう生息してないと言われるけど、これはツキノワグマじゃないのだろうか。。

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竜王峠からのルートと合流。

立札もあり、それなりに登られている山という印象。

昨年の台風でアプローチががかなり厳しくなり、入りにくい山になっている様子。

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広葉樹林の旧斜面を登ると岩の下から清水がわいている。

四国三郎とも呼ばれる吉野川の支流立川川の水源となっているらしい。

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霧と小雨の中ながら、このあたりのブナ林はすばらしい。

人工林率の高い高知県に残された、貴重な原生林。

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ブナ林の先に大岩がぬっと出現。

これが、工石山の山名の由来となったユルギ岩。さてどうやって登るのかな。。

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これも、下を巻いて、背後に回れば、ロッククライミングということもなかった。

白山神社の石の祠が置かれ、ここが信仰上のピークなんでしょう。

白山信仰が土佐山中まで及んでいるのにも、おどろく。平家の落人が信仰していたのだろうか。。

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一等三角点の山頂は、その少し先にあり、ササ原で、ゆっくり休めるたたずまい。

霧さえ晴れれば、標高が高く、県境に近い分、四国山地の山々が、今回の山の中で、もっともよく見えたはず。

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復路は、尾根から伐採地に入らず、標識に従い尾根通しで下る。

こちらは植林地は通らず、最後までブナの森を行くいいコースだった。林床の苔も見ごたえがある。

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最後はススキをかき分けてポンと林道に出る。

駐車できるスペースはあるけれど、何の標識もないので、どこから登りだしていいのかわかりにくい。

避難小屋のところから登り、尾根に下山するのが結果良しだったみたい。

 

愛車奥地君と待っていてくれた連れ合いによると、香川県の林道走行愛好家が5台通過していったとのこと。

リーダー格の人に聞いた話だと、山深い高知あたりでは、道路の正式な復旧を待っていては、生活も仕事(林業)も成り立たないので、とりあえずどんなことがあっても道を通じさせてしまい、それからおもむろに正式に道路改修を行うことが多いそう。

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戻り道に、工石山を方向を振り返る。

山頂は見えないけど、尾根の途中から自然林となり大きな岩がいくつもそびえるのが見える。

工石山の名は、飢えに苦しむ平家落人が、「この石が喰えるものならば」と嘆き喰石山と呼ばれたのが転化したと伝わる。

山深い山とはこういう山をいうのだろう。そして、そのような場所にも人のにおいがするのが日本の山だろう。

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下山後、山麓立川集落の重要文化財「立川番所書院」に立ち寄る。

土佐から伊予に抜ける街道沿いにあった番所とのこと。

受付のおばあさんに、工石山に登ってきましたと話したら、「私も登ったけど、山頂のユルギ石は、今はもう揺るがなくなってしまった」とのこと。

 

岐阜県のライバル県・高知が、なにかと親しく感じられた今回の山旅でありました。

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<登山記録> (―:車、…:徒歩)   (↓地図クリックで拡大)

2019年10月6日(日) 曇時々小雨

高知市5:15―大豊I.C.―立川集落7:00―登山口8:30(駐車)…尾根分岐…石清水9:35…ユルギ岩9:55…工石山山頂10:05〜10:15…尾根分岐10:55…林道11:15…登山口11:20―(帰路)

 

<メモ>

・本来は、国有林で、地元大豊町仁尾ヶ内集落で大事にされており、避難小屋や登山道標識も整備された山。

・ただし、昨年2018年の西日本豪雨の爪跡が依然アプローチの町道・林道に残る。

・登山道自体は伐採作業で迂回路が作られているが、特に台風によるダメージはみられなかった。

・ほかに平成12年に完成した奥工石山〜竜王峠〜白髪山をつなぐ縦走路も開かれている。

 

| ぼっち | 日本4000山 | 06:34 | comments(0) | trackbacks(0) | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!
高知県一等三角点の山巡り(3)―工石山(1,177m)

源氏ヶ駄場から約2時間、高知県立牧野植物園に連れ合いを送り、高知県一等三角点の山巡り3番目の工石山をめざす。

高知県には、工石山(くいしやま)という山が2山あって、こちらは標高1,177mで高知市の北端にあって、同市の最高峰。

もう一つは、高知県北部の大豊町・本山町にまたがる1,516m峰で、「奥工石山」とも呼ばれる。

 

高知市の工石山登山口へは「高知市工石山青少年の家」を目印に、県道16号線で市街地から約1時間。

平成の大合併以前は土佐山村と呼ばれた場所で、道沿いにはユズや茶が植えられ、山頂近くまでスギなどの植林がされている。

↓こんなのが、高知県の標準的な山村風景。

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工石山も石灰岩の山で、頭に大岩を置いた山が見えてくる。

山頂は見えないけど、工石山の一部でありましょう。

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「高知市市民の森」にもなっている市民ご愛用の山のようで、青少年の家周辺の駐車場はどこも一杯。

林道工石線から右手の林道に入る。

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三辻山へ向かっていく林道から、登山道に入る。

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しばらくは、スギ植林地の中の登山道をジグザグに登っていく。

不入山の天然林を歩いた後ゆえ、管理された遊歩道を歩く気分。

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「杖塚」という分岐点に出る。

右手が「北回りコース」、左手が「南回りコース」。南回りコースがやや長い。

北回りコースから南回りコースへと周回することにする。

20191005工石山6.jpg

引き続きスギ植林の中の登山道沿いに、「都道府県の木」が植えられている。

岐阜県の木イチイは、枯れたらしく、切り株だけ(ToT)ナントカシテ

 

昭和38年の台風の強風で、根元から曲がったスギがそのまま成長したという「根曲り杉」もあった。

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ずっと見通しのきかない登山道の脇に、トド岩という大岩がある。

上に立つと、北側の視界が得られ、山間につくられた棚田の向こうに四国山地が眺められる。

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藩政時代にはこの山もお留山として土佐藩が管理していたらしく、ヒノキらしい巨木の古い切り株が残る。

今は二次林となった樹林を進むと、北峰ピークに出る。

北側の展望、つまり四国山地側が大きく開け、四国の主だった山がほとんどすべて見える。

山名を記した方位盤で、奥工石山もしっかり特定できた。

20191005工石山10.jpg

北峰から、鞍部の九石神社の鳥居を経て、約10分で工石山本峰に到着。

一等三角点は石積みに埋もれ、欠けたところがコンクリートで補修してあった。

こちらは南側、つまり高知市街から太平洋に向けての展望が大きく展開。高知市民に人気の山なのも納得のパノラマ。

20191005工石山11.jpg

南廻りコースは、比較的よく広葉樹林が残され、ブナの大木もところどころにある。

シャクナゲの群落の間を抜け、沢と出会う賽の河原を経て、ヒノキ屏風岩に出る。

眼下に鏡川の谷を見下ろす、その右手の尾根700m程下に見える大岩は、妙体岩といい、初代藩主山内一豊が土佐に船で入国した際目標となり、無事入国を果たしたという伝説の岩だそう。

そんな伝説も、高知の人びとにとって、この山を親しいものにしているのでしょう。

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<登山記録>  (―:車、…:徒歩)

2019年10月5日(土) 快晴 単独行

(源氏ヶ駄場)―高知県立牧野植物園―工石山青少年の家付近(駐車)13:40…登山口13:55…杖塚分岐14:15…(北廻りコース)…北峰14:55…工石山山頂15:05~15:15…ヒノキ屏風岩15:45…杖塚16:10…登山口16:30―(高知市内へ)

 

| ぼっち | 日本4000山 | 05:48 | comments(0) | trackbacks(0) | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!
高知県一等三角点の山巡り(2)―源氏ヶ駄場(1,403m)

4日の宿天狗荘は、四国カルストの東部、天狗高原にある一軒宿。

高知・愛媛県境にある四国カルストは、標高約1,400m、東西の幅は約25劼發竜模がある日本有数のカルスト台地。

東の天狗高原から、西の大野ヶ原まで、なだらかな山肌が草原やススキの原になっていて、放牧がおこなわれている。

そのため、陰影濃い四国の山々の中にあって、信州の高原のような光景が展開する。

 

山また山の果てにある高原なので、周辺に人家がほとんどなく、星の観測にも最適。

天狗荘では、星や月の観測会を開いてくれ、口コミなのか外国人のお客さんも多数参加。

スマホのレンズに穴の開いたペットボトルのキャップを付け、天体望遠鏡に接写してこんな画像も撮らせてくれた。

月の落ちた後、夜明け前の星空も感動的でありました。

夜明けもまた素晴らしい。昨日登った不入山が、雲の上にりりしく浮かぶ。

201901005源氏ヶ駄馬1.jpg

天狗荘を後に、向かったのは、珍名の山、源氏ヶ駄場(1,403m)。

「源氏ヶ駄場に行く」と言っても、何のことやらな、「わけの分からない系」珍名の山と言えましょう。

このような珍名の山訪問のお約束は「調べすぎないこと」。

201901005源氏ヶ駄馬2.jpg

カルストを抜けるひと筋の道路。

牛がのんびり草を食べ、空はどこまでも青い。

この先にある、源氏ヶ駄場は、さてどんな山なんだろう。。

201901005源氏ヶ駄馬3.jpg

かつての番所跡のある地芳峠を越えると、大野ヶ原側に出る。

源氏ヶ駄場はいくつかあるピークの最高点らしい。

201901005源氏ヶ駄馬4.jpg

「源氏ヶ駄場頂上へ」という標識に従っていくと、駐車場に出る。

立派な解説版には「源氏ヶ駄場では、たくさんの石灰岩が羊の群れのように見える地形をカレンフェルトという地形が見られます。このように白い石灰岩が広がる風景を、源平の戦いの際に平家の落ち武者が源氏の白馬と見間違って退去したことが『源氏ヶ駄場』の地名の由来と伝わります。」とある。

それなら、「場」ではなく「馬」かなとも思うけど、「駄馬」じゃおかしいし、解説を読んで余計に分からなくなってしまった。

とりあえず、徒歩400mで山頂らしいので、山頂をめざすことにする。

アザミやフウロ、アキノキリンソウなどの咲く道は、登山というより、高原逍遥の気分。

201901005源氏ヶ駄馬5.jpg

いったん舗装の道に出たところに大きな「源氏ヶ駄場」の看板。

山頂というより、この広い斜面を駄場と呼ぶのかな。。

201901005源氏ヶ駄馬6.jpg

弘法大師像のある石の祠の脇に一等三角点はあった。

201901005源氏ヶ駄馬7.jpg

大野ヶ原で一番高い山頂、しかも秋晴れなので、石鎚山から剣山まで四国山地のほとんどの山が展望できる。

この展望のおかげか、「四国百名山」になっていて、高知県に19しかない貴重な一等三角点。

徒歩400m山にしては、ずいぶんお値打ちな山でありました。

201901005源氏ヶ駄馬8.jpg

帰ってから、この不思議な山名について、調べてみた。

・愛媛県から、高知県にかけて「駄場」「駄馬」という地名が多く、これは山の傾斜した平滑地に付けられる地名であるとのこと。

 上駄場・中駄場・下駄場(御槇)、大駄馬・小駄馬(黒尊)、欅ノ駄馬(滑床)、篠駄馬(薬師谷)、藤治ガ駄馬(大超寺奥)、藤ガ駄馬(一本松正木)、栗ガ駄馬・ケジガ駄馬・蜂ガ駄馬(大道)、白猪ノ駄馬(黒尊)、池ノ駄馬(御槇)、寺ノ駄馬(大久保)、淡路屋駄馬(黒尊源流)など(「愛媛県史」より)。

・源平の戦いの際に平氏の残党が白い石灰岩を源氏の白馬と見間違って退去した伝説を持つカレンフェルトの傾斜地が「源氏ヶ駄場」と呼ばれ、その斜面のある山も、同名で呼ばれるようになった、といったところだろうか。

・ちなみに、一等三角点の基準点名は「薊野峰」。アザミ咲くこの頂きにふさわしい名前。

 二つ西の1,295mピークの三等三角点の基準点名が「源氏駄場」。

 いくつかのピークの連なる傾斜地を持つ山体全体が「源氏ヶ駄場」ということなんでしょう。

 

<登山記録> (―:車、…:徒歩)

2019年10月5日(土) 快晴

天狗高原天狗荘7:50―源氏ヶ駄場駐車場8:20…源氏ヶ駄馬山頂8:45~8:55…駐車場9:10―(高知市へ)

 

| ぼっち | 珍名の山 | 05:54 | comments(0) | trackbacks(0) | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!
高知県一等三角点の山巡り(1)―不入山(いらずやま)

高知県は、県面積あたりの森林率が84%と全国一。

2位、81%の岐阜県のライバル県といえましょう。(←競うもんじゃないかな。。)

一等三角点は19箇所あり、そのうち、不入山、工石山、奥工石山、珍名の山・源氏ヶ駄場を2泊3日で連れ合いと巡ってきました。 (↓場所は下の地図をクリック!)

 

まずは、不入山(いらずやま:1,336m)。

不入山は、その名が土佐藩のお留山(入山などが禁じられた山)であったことにちなむという。

岐阜県の誇る清流長良川のライバル、四万十川の源流点を持つ山として知られている。

メインの登山口は、船戸林道の入口だけれど、四万十川源流の手前にある源流の碑からも入山できる。

岐阜県民としては、ライバルの清流も知っておきたくて、こちらを選択。

20161004不入山1.jpg

源流点までは、スギと、サワグルミなどの渓畔林に覆われた遊歩道になっている。

スギは植林されて80年とか案内板に書いてあったけど、樹齢200年くらいに見えるほど太い。

さすが、年間降水量日本一の県。

昨日までの大雨の影響で、源流部とはいえ、結構な水量がある。

20161004不入山2.jpg

滝の脇の歩道はすっかり水に沈み、連れ合いはビビっておりました。

20161004不入山13.jpg

入口から約20分で、四万十川源流点に到着。

実際には、ここよりもっと上まで流れはあるので、源流点の定義を知りたいところ。

20161004不入山3.jpg

源流点で、遊歩道は終わり、不入山への急な登山道となる。

遊歩道の終点を、とりあえず源流点としたのかな (?_?)>

20161004不入山4.jpg

約1,140mの地点で、ほぼ等高線に沿うルート「南一周コース」に出る。

右手に取ると、メインの船戸林道側の登山口に、山頂には右手に取る。

20161004不入山5.jpg

日本海側に多い根の曲がったチシマザサではなく、ここは太平洋側に多いすっと一直線に伸びるスズタケが背より高く繁っている。

ちょうど1週間くらい前に刈っていただいた後なので、ヤブ漕ぎしなくてすんで大助かり。

20161004不入山6.jpg

等高線沿いから、山頂をめざす尾根に出たあたりから、大木が多くなる。

ブナなどとともに、赤い幹のヒメシャラも立派。

20161004不入山8.jpg

登山口から、1時間45分で、一等三角点の不入山山頂に到着。

20161004不入山10.jpg

山頂から南を見ると、山々が重なり合い、その先がいきなり太平洋だからこそ森林率が高くなる。

「山また山」の飛騨と、「山と海」の高知では風景の開放感がずいぶん違うけど、海は県面積には入らないもんな。。

20161004不入山9.jpg

連れ合いが「源流点までの急斜面を下るのは膝が心配」というので、もっともおだやかな槇尾根コースで下山する。

風格のあるコウヤマキやヒノキの原生林が見事。

高知県は農地が少ない部分林業が盛んで、人工林率が65%と全国で最も高い(注)

それだけに、不入山に残されたこの原生林は貴重なもの。

先を歩く連れ合いに、この山の場合ルートには赤テープがあるみたいだから、見逃さないでと、アドバイス。

(注)人工林率1位は、66%の佐賀県だけど、そもそも森林面積が少ないので、高知県は山林が最も人工林化された県と言えましょう。

20161004不入山11.jpg

船戸林道は、車の通行が禁止されているので、林道終点で連れ合いを見送り、南一周コースで四万十川源流側に戻る。

そして、愛車奥地君に乗って、船戸林道の起点へ連れ合い迎えに行く。

20161004不入山12.jpg

船戸林道の起点で待っていても、連れ合いがなかなか来ない。

心配になって、林道を迎えに行くことにする。

20161004不入山15.jpg

標高を稼ぐと断続的に携帯が通じるようになり「イノシシを2回見た」とか、「林道がなくなった」とか、不安をそそるようなメッセージが入り、胸騒ぎはいや増す。

どう考えても、船戸林道を歩いているようには思われないけど、地図に他の道はない。

「林道はすぐなくなって、赤いテープや不入山の標識があったからそれに入った」「舗装の道に出た。通信塔のそば」とか言うので、北の方に向かってしまったのではと推測。

「GPSで確かめて。その辺に矢筈トンネルとかあるんじゃない?」と聞くと、「うん、ある」とのことでほっと一息。

もうほとんど林道終点まで歩いていたのを、急いで引き返す。

 

北側に、今日立ち寄るはずだった四国カルスト高原が夕暮れの光を浴びている。

高原にある珍名の山、源氏ヶ駄場は明日めざすことにして、本日の宿天狗高原の天狗荘に直行。

登山初心者との別行動は絶対よくないと、身に染みた次第。

20161004不入山14.jpg

<登山記録> (―:車、…:徒歩)

2019年10月4日(金) 晴 メンバー:botti、連れ合い

自宅4:00―(徳島自動車道回り)―須崎東I.C.―四万十源流の碑(駐車)11:00…源流点11:20~11:25…(西峰コース)…不入山山頂12:45~13:15…(槇尾根コース)…船戸林道終点14:35…(南一周コース)…四万十源流の碑15:20ー船戸林道起点(駐車)15:40…(林道往復)…船戸林道起点17:10ー矢筈トンネル17:25―天狗荘18:10(泊)

 

(↓地図クリックで拡大)

<メモ>

・連れ合いの通ったルートは、「龍馬脱藩トレイルコース」というルートで、10月27日に大会を控えているので整備されたばかりだったらしい。

 南一周コースのササが刈られていたのもそのおかげなんでしょう。

 入る方も地図が読めない責任はあるけれど、これは船戸林道ではない旨書いておいていただけると、ありがたいなと思う次第。

 

| ぼっち | 日本4000山 | 21:05 | comments(0) | trackbacks(0) | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!
ミズナラとヒノキの原生林を行く―島脇谷山〜船山

「『岐阜百名山』勝手に選定委員会」の取り組みで、今回は南飛騨の島脇谷山と船山へ。

 

船山(1,479m)は、位山、川上岳とともに「位山三山」とも呼ばれる、飛騨では名の通った山。

位山との間に、奈良時代の官道が通り、位山峠がある歴史の古い山でもある。

しかし、山頂まで車道が通り、電波塔が林立し、スキー場が開かれているので、登山の対象としては、あまり食指が動かなかった。

 

その南に位置する島脇谷山(1,325m)は、「ぎふ百山」にも「続ぎふ百山」にも入っていない超地味な山。

しかし、岐阜大学農学部の演習林として、原生林が残された山として近年口コミで知られ始めた山。

 

この対照的に見える2山を、稜線をつないで登ることができるらしい。

島脇谷山の登山口となる演習林事務所前に車を置き、船山山頂から位山峠に降りて、あらかじめデポしておくMTBで登山口までもどるコース取りを想定。

ところが、位山峠に向かう県道98号線が、演習林入口から位山峠まで、12月まで工事通行止め(ToT)ネラッタヨウニ

長丁場になるけれど、演習林事務所を起点に往復することに。

 

演習林に入山するには、事前の届け出が必要。↓

https://www1.gifu-u.ac.jp/~gufarm/html/center_forest.html

あらかじめ作成してきた申込用紙を事務所に提出して、7時50分、いざ出発!

20190927島脇谷山船山2.jpg

岐阜大学農学部付属演習林は、「森林の教材」ともいえる存在なので、553haの敷地で森林のさまざまな様相を見ることができる。

スギやヒノキの植林、炭焼跡の広葉樹二次林、江戸時代の焼畑後の森、渓畔林、垂直分布保存林などなど。

事務所から、模範生のように管理されたスギ植林の道を行くと、「山王さま」の社がある。

周辺斜面はアスナロの天然林で、樹齢300年という古木も混じるという。

20190927島脇谷山船山4.jpg

社の先が、演習林の入口となる(ポイント 番号は、下の地図に表示)。

沢沿いで、水音がすがすがしい。

20190927島脇谷山船山5.jpg

演習目的の山なので、林道が縦横につけられ、2万5千分の1地形図にないものもある。

登山目的の山ではないので、山頂へのルートは、それほど明快でないことが、歩きだしてから分かってきた。

「上級コース」という立て札があるので、これに従っていくことにする(ポイント◆

20190927島脇谷山船山6.jpg

標識は少なめで、それだけに頼って進むわけにはいかず、地図とGPSとにらめっこ。

道なりに右に進んだら、行き止まり。左が正しかった(ポイント)

20190927島脇谷山船山7.jpg

こちらの林道も、いきなり途切れる。

尾根に沿う踏み跡をたどり、上部にある林道をめざす(ポイント➃)

20190927島脇谷山船山8.jpg

何とか、正解みたい。ところが、すぐ脇を見ると、「上級コース」の立て札が下向きに出ている。

帰路用のルートということかな。。

上部の林道をたどると、行く手に原生林に覆われた島脇谷山の山頂部が見えてくる。

20190927島脇谷山船山9.jpg

分岐登場。標識はないけど、まあ、上に向かっていく方に入ればいいんでしょう(ポイントァ

20190927島脇谷山船山10.jpg

道の途中で、尾根に上がる踏み跡発見。

標識がないのは当然と分かってきたので、入ってみると、それなりにヤブが払われていた(ポイントΑ

20190927島脇谷山船山11.jpg

山頂周囲を通る最上部の林道に出る。右手(南)に取り、しばらく進むと、尾根道があった(ポイントА

ミズナラとヒノキの巨木の混合林というのが意外。

また、チシマザサがびっしり生えているのに、ブナは見当たらない。

このあたりは飛騨でも南部なので、中央高地式気候の影響が大きく、雪が比較的少ないためかもしれない。

20190927島脇谷山船山12.jpg

島脇谷山山頂に、10時30分到着。

三等三角点の基準点名は「島脇谷」。ここも先に谷の名があり、それが山の名ともなったのでしょう。

原生林の中なので、見晴らしはきかない。立派な原生林をむやみに切らないのも見識でしょう。

20190927島脇谷山船山13.jpg

船山方向に続く尾根道は、西斜面の演習林と、東斜面の国有林の境界にあたるため、巡視用に刈り払われている。

刈り払いは、毎年でもないようなので、歩きやすさは、年によって変わるみたい。

20190927島脇谷山船山14.jpg

風格あるミズナラとヒノキの原生林の中を、何時間も歩けるのは、「木の国 山の国」岐阜県の山の美点でありましょう。

(富士山は見えませんがね。。)

20190927島脇谷山船山21.jpg

鞍部から、数百m登りきると、船山の山上部に出る。

立派なあずまやがあって、左手の道が、本来たどる予定だった位山峠への登山道(ポイント)

そちらのルートも演習林に沿っており、原生林が楽しめるようで、「光と風の道」と呼ばれている。

20190927島脇谷山船山20.jpg

船山山頂部は、北東から南西方向に約1劼曚匹虜拂垢な臣呂砲覆辰討い董園地となり、また電波塔が林立している(ポイント)

尖った山は、展望がいいのに対し、こういう形の山頂は、見晴らしもきかないもの。

山頂の二等三角点は、道路脇に無造作にあり、欠けていて「山頂に立ったなあ」という感動には縁遠い。

20190927島脇谷山船山17.jpg

山頂部往復だけで、結構時間がかかってしまうので、一番奥(北)の展望台(ポイント)まで行くのをちょっとためらった。

いざ行ってみると、御嶽山から、乗鞍岳、穂高連峰、笠ヶ岳などが見渡せて、目の極楽。足を延ばした甲斐があった。

眼下には、久々野の町、そして高山の市街もよく見える。

かつてこの山は、久久濃山とも呼ばれていたんだとか。

20190927島脇谷山船山19.jpg

さて、復路も結構長い。

島脇谷山は、山頂は見晴らしがきかないけど、その南に展望台と呼ばれる、切り開かれた場所があるので立ち寄ってみる。

少々木が成長しかけ、梢越しに御嶽山などが何とか見えた。林道から西向きには位山や川上岳も。

展望台から林道を引き返すのも面倒なので、ヤブだらけの急な尾根〜谷を急降下し、下の林道分岐(ポイントァに降り立つ。

20190927島脇谷山船山22.jpg

往路、林道に出たところのすぐ脇で見つけた下向きの上級コースの標識。

入ってみると、よく整備された尾根道で、一気に急降下(ポイント)

20190927島脇谷山船山23.jpg

なんと、演習林入口看板(ポイント のすぐ下・左手の木橋まで一気に降りてしまった(ポイント)

最短の道があるなら、最初に言ってほしい、といいたいところ。

ただし、登りには一本調子で急すぎるし、演習林の様々な樹木もみられなかったはず。

こんなすばらしい森の中なら、迷うのも幸せっていうことにしておこう。

20190927島脇谷山船山24.jpg
<登山記録>  (―:車、…:徒歩)

2019年9月27日(金) 晴時々曇

自宅4:40―郡上I.C.―(国道472・257号線、県道98号線)―岐阜大学島脇谷山演習林事務棟(受付・駐車)7:50…島脇谷山山頂10:35…休憩所(位山峠ルート分岐)12:10〜12:20…船山山頂12:35…船山展望台(昼食)12:45〜13:05…休憩所13:30…島脇谷山展望台14:45〜14:55…演習林事務棟16:10―(飛騨川温泉しみずの湯入湯後、帰路)

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↓地図:クリックで拡大

 

| ぼっち | 「岐阜百名山」勝手に選定委員会 | 09:11 | comments(0) | trackbacks(0) | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!
小金沢連嶺 小縦走

ぼっちの『岐阜百名山』勝手に選定委員会」の取り組みで県内の山ばかり登っていると、目線がかたよってくるのを感じる。

時々は、それを直すため、ベンチマーキングすべき他の山岳県の山も訪問してみたいもの。

ということで、9月16日、日本百名山大菩薩嶺の南に連なる山梨県の小金沢連嶺を小縦走。

 

小金沢連嶺は、主峰の小金沢山(2,014m)、牛奥ノ雁ヶ腹摺山、黒岳、白谷ヶ丸、大蔵高丸などが北から南へ連なっている。

稜線上の標高約1,650mの地点にある湯ノ沢峠まで車で入れ、アップダウンも少ないので、日帰り小縦走が可能。

それぞれの山が、一等三角点百名山(黒岳)、山梨百名山(小金沢山、大蔵高丸)、日本一長い名前の山(牛奥ノ雁ヶ腹摺山)と、お値打ち感ある山域であります。

それでは、いざ実登 (ロ。ロ)/オウ

勝沼インターから、国道20号線、県道県道218号線、林道をたどって湯ノ沢峠へ。

峠直前の未舗装になってからの路面が、雨で大きくえぐれ、空転やパンクをしないよう慎重に進む。

避難小屋のある峠に駐車、まず北にとって、小金沢山まで往復し、その後南にとって大蔵高丸まで往復する計画。

登山計画書を出す代わりに、行先の山のカウンターを押す方式が珍しい。

20190916黒丸2.jpg

樹林の中をしばらく進むと、最初のピーク、白谷ヶ丸(しろやがまる:1,920m)が霧の中に見えてくる。

草原状の山容で、晴れれば富士山の展望がばっちり得られる場所のよう。

登山道が深くえぐれているのは、東京圏からのハイカーがそれだけ多いからなんでしょう。

(山馬鹿岐阜県民目線からすると、伐採後のはげ山みたい。)

20190916黒丸3.jpg

あいにくの雨がふりだした。

展望が売りの山域のせいだろうか、大勢の登山者の踏み跡が残るのに、今日は登山者なしで静か。

白谷ヶ丸と黒丸の間は広葉樹林に包まれ、「やまなしの森林百選:黒岳の広葉樹林」に指定されている。

(通過に10分くらいしかかからないんですが。。)

20190916黒岳5.jpg

樹林を抜け、大きな一等三角点標柱のある、「一等三角点百名山」黒岳(1,988m)の山頂に。

(ここも、森林限界より低いのに、山頂南側は、木もないササ原。)

20190916黒岳6.jpg

黒岳を後に、牛奥ノ雁ヶ腹摺山へ向かう。

雨が激しくなり、登山道が水たまりだらけでピッチが上がらない。

(このあたりの樹林は、針葉樹の伐採後の二次林だろうか、ひょろひょろして、立ち枯れや倒木ばかり。)

出ました、珍名の山ハンターとしては、今回もっとも立ちたかったピーク、牛奥ノ雁ヶ腹摺山(1,9809m)。

普通、山の名前というと、呼びやすさもあってか、4〜6文字くらいが多い。

長い名前の山というと思い浮かぶ、カムイエクウチカウシ山でさえ12文字なのに、14文字とはすごい。

(北海道百名山のひとつ1839m峰が、「せんはっぴゃくさんじゅうきゅうめーとるほう」の21字でダントツ最長かと思ったら、「いっぱーさんきゅうほう」と呼んで11字なんだとか。)

20190916黒岳8.jpg

ササと針葉樹の疎林を抜け、小金沢山山頂に立つ。

(雨あがりで雲がたれこめ、展望が得られないと、これといって個性なし。)

20190916黒岳9.jpg

湯ノ沢峠まで引き返し、大蔵高丸に向けて南下。

ようやく、雲が上がって、丸い、樹林に包まれた山容が見えてくる。

(どこといって個性のない丸い山容。)
20190916黒岳10.jpg

旧湯ノ沢峠周辺は草原のお花畑になっている。

しっかり食害除けの柵が張り巡らされているので、アザミ、ニガナ、ワレモコウ、アキノキリンソウなどの花が咲いている。

カエデを中心とした広葉樹林が、こちらは全山覆っていた。

20190916黒岳12.jpg

峠から40分ほどで大蔵高丸山頂に到着。縦走路はさらに、ハマイバ(破魔射場)丸へと続く。

本当なら、山名看板の向こうに富士山がドンと見えるはず。

(見えなきゃ、登った甲斐ないかも。)

20190916黒岳11.jpg

山馬鹿岐阜県民目線で、ケチばかり付けて、山梨県民の皆さま、すみません。

物ごとは、表裏どちらから見るからですよね。

 

【山梨県の山の傾向】

明治初期の林政混乱期に乱伐して樹林が貧相 ⇔ 森林限界以下の標高の山でも展望絶佳

展望がきかない日にはさしたる個性がない  ⇔ 晴れれば天下無敵の富士山の大展望という山梨県山岳共通の一大個性あり

ハイカーが多数入り登山道がえぐれている  ⇔ 東京から気軽に登れる、地元の活性化に寄与

 ※「山梨百名山」の場合、富士山が見えるかどうかが選抜の大きなカギで、日本300名山にもなっていないような低山だと、

  眺望の評価ウエイトが特に高く、山容、自然度の評価ウエイトが低めの印象。

 

【岐阜県の山の傾向】

手付かずの広葉樹林の豊かな森を持つ山が多い ⇔ 豪雪に半年近く閉ざされるため、登山道がない山も多い

                      ⇔ 樹林におおわれ、無雪期には展望のきかない山も多い

                      ⇔ 都市圏の登山者にとっては、気軽に登れない山も多い、地元活性化に寄与なし           

 ※このような傾向の岐阜県の場合、豊かな自然を持ちながら、展望もいい山は、次のような条件付きとなる。

   /肯啗続Δ鯆兇┐觜盪(飛騨山脈や白山連峰など)

   ⊃肯啗続Π焚爾世山頂が自然または人為的に展望が確保された山(前者は白木峰など、後者は貝月山など)

   積雪期狙いの山(笈ヶ岳、猿ヶ馬場山など)

  評価要素を、標高、山容、眺望、自然度、愛山度をほぼ同程度に評価してほどほどいいというのは、岐阜県の山の特性が前提としてのことなんだなあと再認識した次第。

 

 気軽に楽しめる山に恵まれた山梨県と、ややとっつきにくいけど自然と静けさに恵まれた山が多い岐阜県。

 みんなちがって、みんないいけど、岐阜県の山は、山慣れした上級者の方が、より魅力的に映るんじゃないかともおもう。

 

<登山記録>  (―:車、…:徒歩)

2019年9月16日(月・祝)  雨のち曇 単独行

大坐小屋4:00―勝沼I.C.―湯ノ沢峠8:00…白谷(しろや)ノ丸山頂9:00…黒岳山頂9:15…牛奥ノ雁ヶ腹摺山山頂10:40…小金沢山山頂11:35〜11:50…牛奥ノ雁ヶ腹摺山12:25…黒岳13:30…湯ノ沢峠14:25…大蔵高丸15:05〜15:15…湯ノ沢峠15:45―(帰路)

<メモ>

・小金沢連嶺を世に知らしめたのは、大正から昭和にかけて活躍した「霧の旅会」という山岳会。

 石丸峠から小金沢山を経て湯ノ沢峠へ至る尾根をそのように呼んだのだとか。

・牛奥ノ雁ヶ腹摺山は、かつてあった牛奥という集落の名前にちなみ、牛の奥には、牛を置く、牛の牧場との意味もあるという。

 この地域には、かつての五百円札の富士山撮影地雁ヶ腹摺山(1,847m)、笹子雁ヶ腹摺山(1,358m)と3つの雁ヶ腹摺山がある。

 雁は尾根を越える時、できるだけ低く飛ぶことにちなむ。

 渡り鳥である「雁」の付く地名は、山梨県の富士山の北あたり(雁穴、帰雁)から、大菩薩連嶺の3つの雁ケ腹摺山を通り、雁峠・雁坂峠を経て、埼玉県の雁掛峠、群馬県の雁ケ沢、新潟県の雁ケ峰、雁ケ峰峠と山越えし、上越市の日本海沿い(雁平川、内雁子)まで、ほぼ南北一直線につながっている。かつてはきっとものすごい数の雁が、このあたりをルートに北へと渡っていったんでしょう。

・山を「丸」と呼ぶのは、韓国語の山の呼称にちなむといわれる。

 大菩薩嶺の南の地域、丹沢とともに、岐阜県だと越美山地など特定地域に集中する。

 帰化人との関係も言われるが、ほかに「丸」は「誰々さんの領地」や、砦の意味にも使われるので、吟味がいるのかもしれない。

 

| ぼっち | 縦走主義でいこう! | 21:59 | comments(0) | trackbacks(0) | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!
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