WALK あばうと 日本4,000山

「新日本山岳誌」掲載の約4,000山が修行の地。 めざせ山仙人!
常念山脈〜表銀座周回(3)―ルートなき赤沢山

((2)表銀座赤岩岳からつづく)
西岳直下の山小屋「ヒュッテ西岳」に到着。

西岳から南に延びる支稜線上に、今回の最大目標赤沢岳(2,671m)がある。

取り付き点となる、テント場南端の岩から眺めると、いったん鞍部まで急降下し、急斜面を登り返すことは分かる。

ルート取りは、ちょっと心配。。
しばらくハイマツをかき分けて降りかけると、踏み跡が出てきた。

踏み跡に沿ってトラロープも下ろされている。
トラロープがいったん途切れた所の脇にあるハイマツの根のトンネルをくぐって斜面をへつると、ふたたびロープが下ろされ、鞍部まで続いている。

ルート取りでは、この斜面をへつるところがポイント。
痩せた鞍部の稜線に降り立ち、赤沢山への登り返すのもかなり急斜面。

しかも稜線上には岩が何カ所か露出し、稜線東側は崩落している。

こちらの斜面にはトラロープはない。

ハイマツをつかみながら稜線の踏み跡をたどり、岩にぶつかるたびにその右(西)側をたどれば、山上にたどり着く。(クリックで拡大→)
山上部分は、ハイマツと砂礫の広い尾根状で、踏み跡も明確。

ただし、霧の時は道迷いに注意が必要。

晴れていれば、前穂高岳の吊尾根にまっすぐ向かっていく感じ。

 

 

 

 

 

東側には、常念岳から大天井岳まで常念山脈の長い稜線が展開。よく歩いてきたモンだ。

霧の中を歩いてきたモヤモヤ感も、ようやく解消。

常念乗越から立ち上がる三角錐の常念岳は、さすが山脈の盟主としての風格がある。
赤沢山は、赤石山脈の小太郎山と地形が似て、西から南を槍沢、東を二ノ俣谷に囲まれ、三方向に大きな空間が開かれている。

その広い空間いっぱいに、常念山脈、穂高連峰、槍ケ岳が展開するので、山岳展望台としては最高。

「北の赤沢山、南の小太郎山」と称えたい。
西岳方面への登り返しもなかなかすごい。

稜線東に沿って崩落帯があるので、トラロープのある踏み跡からから外れないようにするのが肝心。(←クリックで拡大)
14:45 テント場に戻って一息。

ヒュッテ西岳は予約してあったけど宿泊を断られたので、槍沢ロッジまであと3時間歩かなけれなばらなくなった(下記<メモ>参照)

西岳の梯子の大下りに差し掛かったあたりで、穂先の雲が切れ、槍ケ岳の全容が拝めたので、まあよしとしよう。
水俣乗越から槍沢まで下る途中から眺める赤沢山。

谷底から急激にせりあがり、特別見晴らしがいい山なのが分かっていただけるはず。
17:45 槍沢ロッジに到着。ふう。

何と風呂があって18時までなら入れるそう。

残り時間5分だったけど、雨と汗にまみれた体をさっぱりさせられ天国。

明日の三股までの所要時間も3時間短くなって、結果オーライ。
 

<メモ>

・赤沢山には、2万5千分の1地形図に登山道は記載されておらず、実際も整備された登山道はない。

 したがって、ほかの登山道のない山と同様自己責任で、装備・技能・天候・体調を考慮し登ることとなる。

・取り付き点となるのはヒュッテ西岳併設のテント場南端からとなる。

ヒュッテ西岳は、赤沢山に登る人と関わりを持ちたくないようであり、登るなら宿泊は断わるとのことなので注意。

 

・ヒュッテ西岳は、飛騨山脈の小屋では例外的に、予約がない登山者は原則として断っている。

 (特に、ピーク時早い時間到着の予約なしの場合には、先の小屋に行ってくれと明確に断られる事例あり。)

・そのため、今回予約して余裕を持って到着し、「これから赤沢山に登ってきます」と告げたところ、「それが分かっていたら予約は受け付かなかった。赤沢山には林野庁から入れるなと言われている(←このへん説明不明瞭。登山地図にそのような注意事項は記載されていないし、林野庁中部森林管理局中信森林管理署のサイトにもそのような注意は出ていない)」「ムシが付くので、ほかのお客さんに迷惑だから泊められない」などと言われた。

・「ムシ」とはどのようなものか聞くと「ササダニ」とのこと。

・ちなみに、赤沢山は、ハイマツ、シャクナゲ、ダケカンバの灌木の山で、ササはなく、ダニに悩まされるようなことはなかった。

・赤沢山登山後、「本当に泊めてもらえないのですか?」と確認したところ「ムシが付くのでダメ」と再度言われた。

 「先の小屋に行っても事情は同じではないですか?」

 「なんなら、その小屋に電話しておく」

 「赤沢山にはササはなく、ササダニはいませんでしたよ」

 というやり取りのもと、泊まる気を失くして失礼する。

・ロケーションは抜群だし、赤沢山に登らず・事前予約されるなら、問題なく泊まれるかとは思いマス。(ロ〜ロ;)>イヤハヤ

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常念山脈〜表銀座周回(2)―横通岳東天井岳赤岩岳

8月19日 今回の正念場 常念小屋〜横通岳〜東天井岳〜大天井岳〜赤岩岳〜西岳〜赤沢山縦走の1日。

4:30 夜が白むのを待ち、常念小屋を出発。

ほとんどの登山者が、ご来光を見に常念岳をめざす中、反対の横通岳に向かう。
横通岳への登りで日の出を迎える。

朝焼けは、天気が下り坂っていうけれどー
やはり、その通り、みるみる霧がかかってしまった。

縦走路は横通岳山腹を巻いているので、山頂へのルートファインディングは大変かなと心配したけれど、明確な踏み跡が付けられていた。

風化した花崗岩の斜面あちこちに、コマクサが咲いていた。
標高2,767m、三等三角点の横通岳山頂に到着。
次は東天井岳。

アップダウンの少ないハイマツの縦走路の先。

ここは、三角点もないピークなので、山頂に向かう踏み跡も不明確。

斜面にはコマクサが多いので、踏まないように進む。
標高2,814m、東天井岳(ひがしてんしょだけ)山頂に到着。

標高だけでいえば日本第58位、ほぼ五竜岳と互角。

喜作新道が開かれる前の槍ケ岳へのクラックルートは以下の2ルートあり、東天井岳は、両ルート共通の重要なポイントになっていたそうで、二俣小屋という岩小屋があったという。

〕明 - 中房温泉 - 合戦尾根 - 大天井岳 - 東天井岳 - 二ノ俣尾根 - 二ノ俣谷 - 槍沢 - 槍ヶ岳

⇒明 - 中房温泉 - 合戦尾根 - 大天井岳 - 東天井岳 - 横通岳 - 常念乗越 - 一ノ俣谷 - 中山乗越 - 二ノ俣尾根 - 二ノ俣谷 - 槍沢 - 槍ヶ岳
常念山脈の最高峰にして日本200名山、大天井岳(おてんしょうだけ)にも久しぶりに立ち寄り。

三角点が根こそぎ土から露出し、移動可能な状態はちょっといかがかと…

前回は、槍ケ岳、穂高連峰の展望が迫って大感動だった山頂も、霧の中。

やはり、眺望は山の魅力の重要要素だな。。
大天荘まで戻ると、なんと! 職場のTさんとばったり。

せっかくだから一緒に記念撮影。

トレイル・ラン命のTさんは、中房温泉から常念山脈を走り、蝶ヶ岳から三股に下山後、中房温泉まで1日で周回するそう。

昔の回峰行なみの体力に敬服でありマス。
大天井岳からは、常念山脈を離れ表銀座縦走コースに入る。

途中の赤岩岳(2,769m)も、山頂までの登山道はなく、厳密には山頂を踏んでなかったので立ち寄り。
東側の斜面にある踏み跡を、ハイマツをつかんでよじ登る。

西側は、山頂直下が崖なのでルート取りは難しそう。
傾いた三等三角点の据えられた赤岩岳山頂は、北側が崖になって落ちている。

ようやく雲が切れ、崖の向こうには鷲羽岳や槍の穂先は雲の中ながら北鎌尾根が間近か。

天候が回復基調で、次に目指す赤沢山が楽しみ。(つづく)

 

<登山記録>
2017年8月19日(土)  晴のち霧雨のち晴  単独行 (…:徒歩)
常念小屋4:30…横通岳取付き5:20…横通岳山頂5:45…東天井岳7:15…大天荘8:20…大天井岳8:30~8:35…大天荘8:45~9:00…大天井ヒュッテ9:40…赤岩岳取付き11:05…赤岩岳11:15…ヒュッテ西岳(荷物デポ)12:00…赤沢山13:10~20…ヒュッテ西岳14:35~14:45…水俣乗越15:50…大曲分岐16:50…槍沢ロッジ17:45(泊)

 

| ぼっち | 縦走主義でいこう! | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0) | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!
常念山脈〜表銀座周回(1)―常念岳へ

「縦走主義でいこう!」と山に通いつめて、はや幾年。

歩き尽くしたような飛騨山脈の縦走路で、実は未踏なのが、常念岳から大天井岳の区間。

そのため、同区間にある横通岳(2,767m)、東天井岳(2,814m)が、「日本百高山」の登り残しとなっている。

もう1山残っているのが、大天井岳を経て槍ケ岳に至る「表銀座縦走コース」から南に外れた赤沢山(2,670m)。

西岳の南にある赤沢山は、飛騨山脈で希少な登山道のない山で、この夏の目標「日本百高山踏破」の最難関。

8月18日〜20日、三股登山口を起点に、常念山脈と表銀座を結ぶ周回コースにして、この3山をまとめて挑戦 (ロ。ロ)/オウ

テント泊も考えたけれど、今夏は天候不安定のため、踏破最優先で、小屋泊・最軽量縦走スタイルを選択。
安曇野市、烏川上流の三股登山口(1,350m)から出発。

往路は、右手の尾根に取り付き、前常念岳を経由して常念岳へ。

帰路は、蝶ヶ岳から三股に戻る予定。

さて、無事目標達成して戻って来られますことやら。。
三股から前常念岳を経由して常念岳に至るルートは、コースタイム7時間余りで急登の連続。

その分歩く人が少なく、単独行だと樹とでも話すしかない。(←山仙人化?)

 飛騨山脈の信州側は、少雨+岩稜が多く土壌が少ないことから、案外樹林帯が貧相なことが多いけれれどけど、ここは大変立派。

標高差千m以上を稼ぐうちに、サワラ、クロベ、モミなどから、コメツガ・シラビソ帯に移っていく。
標高2,500mあたりで、ハイマツ帯となり、前常念岳への明確な尾根道となる。

急斜面には大き目の花崗岩がゴロゴロ。

雨もぱらつきだしたし、テント泊にしなくてよかった。。(←弱音)
前常念岳山頂直下で、赤い屋根をかぶせた立派な岩小屋と対面。

1920年(大正9年)の表銀座コース(喜作新道)の開通、1924年の釜トンネル開通に伴う槍沢コースの整備以前には、常念乗越を越えて槍ヶ岳に向かう岳人が使った時代もあるのでしょう。

ちなみに、常念岳山頂(2,857m)には三角点がなく、前常念岳(2,661.9m)に一等三角点があり、「一等三角点百名山」というのにもなっている。
常念岳直下で、常念山脈稜線の縦走路に合流。

めざす山頂は、霧に霞んでいる。

そういえば、常念岳は今回で3回目だけど、山頂の記憶がほとんど残ってないのは、毎回霧の中だったからみたい。
祠があって三角点がない常念岳山頂で、霧の中一服していると、おお 空が晴れてきたではないか!

北を見ると、常念乗越の向こうに、明日めざす横通岳や東天井岳が。
南を見ると、大きく下る常念山脈の稜線の先に、蝶ヶ岳、大滝山が。

前2回は、あのアップダウンする稜線を何も見えないまま歩いたんだな。。
山頂でゆっくりした後、常念乗越にある常念小屋まで大下り。

夕方晴れたら、登り直そうかな。。
常念小屋に到着。

1919年(大正8年)常念坊・乗越小屋として「北アルプス」稜線上最初の山小屋として建てられた歴史ある山小屋。

この6月に、先代の山田恒男氏がお亡くなりになったばかり。

初代利一氏から小屋を引き継いだ2代目の恒男氏は、大金をかけて全国山岳国立公園で最初のトイレ処理浄化槽を設置するなど、日本の登山文化発展に貢献され「親方」と慕われた方。
木のふんだんに使われた小屋は、平日ということもあって、ゆったりした雰囲気。

しばらくして、激しい雨になってしまったので、Hさん遺贈のチタンのフラスコに入れてきたウイスキーを飲みながら、「岳」9巻から14巻までを読了。

床屋に「ゴルゴ13」、山小屋に「岳」は定番みたいですな。。

 

<登山記録>
2017年8月18日(金)  曇のち雷雨  単独行 (…:徒歩、―:車)
自宅3:40―三股登山口6:35…前常念岳10:30…常念岳11:45〜12:15…常念小屋13:35(泊)

 

 

 

| ぼっち | 縦走主義でいこう! | 06:29 | comments(0) | trackbacks(0) | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!
北岳 池山吊尾根を行く

8月6日(日) 北岳肩の小屋の夜明け。

テント場の向こう、鳳凰三山の背後から日の出が始まる。

さあて、出発。
北岳山頂には、ご来光を拝む人たちがひしめいている。

人混みが苦手なぼっちは、ひとつ手前の岩峰で日の出を迎える。
岩峰の下で、季節外れのキタダケソウを見付けた!

―と興奮して、後で調べたら、チョウノスケソウだったみたい。

チョウノスケソウを見たのも初めてだったので、まあよしとしよう。
北岳山頂から、間ノ岳、農鳥岳を眺める。

かつて白峰三山を縦走した時は暴風雨で何も見えなかったので、北岳再訪の甲斐があった。

さらに背後には、塩見岳だけも顔を出している。

仙塩尾根縦走も思い出深いなあ。。
北岳山頂からいよいよ池山吊尾根方向に踏み出す。

八本歯ノ頭、ボーコン沢ノ頭をつなぐルートをしっかり確認しておこう。
北岳山頂から八本歯ノコルへの大下りには、木製の梯子も登場。

ほとんどの登山者は、北岳往復か、白峰三山縦走に向かうようで、すれ違ったのは2人だけ。
下り斜面も高山植物が豊富で多種。

この画像の中で、少なくとも9種類の花が確認できた。
八本歯ノ頭から先は、まったく人影なし。

ハイマツと岩屑の広い尾根をたどり念願のボーコン沢ノ頭に立つ。

あいにく雲がまとわりついてきたけれど、北岳の全容をしっかり目に焼き付ることができた。

しばらくで樹林帯に入り込み、大下りがはじまる。
地図上は破線の「難路」となっている割に、踏み跡は明確で、赤テープもしっかり導いてくれるので、道なき奥美濃に慣れた身には「一般道」。

シラビソの樹林帯に入り込むと、苔に覆われた静寂世界。

北八ヶ岳と比べて、種類と厚みでは一歩譲るけど、規模と手付かず感はこちらに軍配。ただし、たどり着くのが大変過ぎかも。
池山御池小屋は、池ではなく湿った草原に面していた。

なかなか立派な小屋、夏は人影がない池山吊尾根も、冬はメインルートになり、この小屋を利用する人も多いという。
いったん傾斜の緩くなった登山道は、再び急降下。

台風などによるものだろうか、倒木があちこちで道を塞ぎ、乗り越えていくのが大変。

標高を下げていくにつれ、シラビソから、コメツガに、そして広葉樹のブナにと種類が変わっていく。
おだやかなブナ林の斜面を抜け、県道37号線のあるき沢橋バス停にポンと出る。

余裕を見て行動したので、奈良田行きのバスが来るまで約2時間半もある。

自家用車乗り入れ禁止になっているので、車も通らず、ひたすら静か。

沢に下りて汗をぬぐい、道路を歩き回る蟻んこを観察し、バス停の標識を枕に昼寝。

貧乏性のぼっちが普段なかなか味わえない、ゆったりした夏の午後を過ごしたのでありマシタ。
 

<登山記録>
2017年8月6日(日)  晴午後曇 単独行 (…:徒歩、―:車・バス)
北岳肩の小屋4:30…北岳山頂5:00~5:30…八本歯ノコル6:25…八本歯ノ頭…ボーコン沢ノ頭7:30~7:40…池山御池小屋9:45…あるき沢11:50~14:23―(バス)―奈良田温泉―(入浴後帰路)

<メモ>

・池山吊尾根ルートは、冬季は南アルプス林道鷲ノ巣山または奈良田から徒歩で北岳に登るメインのルートとなる。

・夏場は、あるき沢橋から北岳まで登り標準9時間、下り標準6時間強と長いため、利用する登山者はきわめて少ない。

 その分、赤石山脈中核部とは思われないほど夏場は静かで、ボーコン沢ノ頭からの北岳の大望、苔に覆われた樹林歩きなど、山慣れた登山者には大変魅力的。

・稜線は広いため、霧にまかれた時のルートファインディングは慎重に。

 樹林帯は、赤テープがしっかり付けられている。倒木が多いので、そのようなあたりで道を失わないように。

| ぼっち | 縦走主義でいこう! | 23:12 | comments(0) | trackbacks(0) | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!
小太郎山経由 北岳へ

今回計画した、小太郎山経由北岳のルート取りは以下のとおり。

8月5日 赤石山脈の登山基地、広河原から白根御池・草すべりを経て、北岳の北に延びる小太郎尾根を往復、北岳肩の小屋に1泊。
翌  6日 小屋から北岳山頂に立った後、八本歯の頭、ボーコン沢の頭を経て池山吊尾根を下降、歩き沢に下山、バスで奈良田へ。

登山地図によれば、小太郎尾根と池山吊尾根は、「難路」らしい。

 

広河原のインフォメーションセンターにある赤石山脈北部の地図で見ると、上記ルートが、北岳全体をほぼ網羅して踏破するものであることがお分かりいただけるのでは。(画像クリックで拡大)

その分標高差が大きく、なおかつ長丁場なので、荷物はトレイルランの装備を参考に極力少なくした。

ただし単独行・一般ルートではない部分もあることから、GPS、熊鈴・熊除けスプレー、救急薬品などを携帯。
5日 4時45分、ほの明るくなるのを待って一足先に広河原山荘を出発。
途中大樺沢に沿い二俣へ向かうルートと別れ、尾根を急登する。

製紙用に皆伐され樹林の貧弱な赤石山脈南部と比べると、モミやマツなど巨木が多いことに改めて気づく。
荷物が少ないので、コースタイムの3分の2くらいで白根御池小屋に到着。

白根御池の畔に建つ真新しい設備の整った小屋で、名物はソフトクリーム。

朝7時前に北岳を拝みながらソフトクリームをいただくなんて、身に余るぜいたく。
小屋からは、「草すべり」と呼ばれる草付きの急斜面標高550m分を一気に登る。

ハクサンフウロ、タカネグンナイフウロ、ミヤマハナシノブ、センジュガンピ、タカネナデシコなどさまざまな高山植物たちがつぎつぎ登場して、気を紛らせてくれる。

振り返ると、白根御池のキャンプ地の向こうに、どっしり大きな鳳凰三山。
右俣コースと合流してしばらくで南に向かう北岳の稜線に出る。

その反対の北に延びる小太郎尾根は、そのまま甲斐駒ヶ岳まで続くよう。

いったん2,648mまで下り、2,725mの山頂まで登り返す。

岩の稜線は、ところどころ西側(仙丈岳側)に巻いている。

幸い晴れているので問題なかったけど、霧の時はルート取りがなかなかむつかしそう。
振り返ると、北岳山頂が見下ろしている。

行きよりも帰りの登り返しの方がきつそう。
分岐から約1時間30分で小太郎山山頂に到着。

小太郎山は、山裾を取り巻くように野呂川が流れているので、各方向遮るものがない大空間が広がるのが特徴的で、山岳展望台としての条件は抜群。

谷をはさんで、西に仙丈岳、南に甲斐駒ヶ岳、東に鳳凰三山、そして南に北岳と向かい合う、圧巻の展望。
小太郎尾根を引き返し、北岳肩の小屋にたどり着く頃には、霧の中。

早立ち・軽装で、速い行動に努めて良かった。。
さすが日本第2の高峰の夏山ピーク時の週末。

小屋の中は大混雑、夕食は、60数人ずつ5回に分けて。

夕立で外にも出られないので、隅っこで「岳」1巻から8巻まで読んでマシタ。
夕暮れに、天気が回復。

皆さん外に出て、富士山や、仙丈岳などを眺めたり、撮影したりしておられる。

そんな中、甲斐駒の手前の地味目な小太郎尾根をしみじみ眺め、改めて、あそこに立ったんだと、地味目の満足感に浸ったのでありマシタ。
<登山記録>
2017年8月5日(土) 晴午後雷雨夕方晴 単独行 (…:徒歩、―:車・バス)
広河原山荘4:45…白根御池小屋6:50~7:00…(草すべり)…小太郎尾根分岐8:45~8:55…小太郎山10:10~10:25…小太郎尾根分岐12:00…北岳肩の小屋(泊)12:40

<メモ>

・上記は軽装のため相当早いペース。

・小太郎尾根分岐は、ペンキ表示などもあり、晴れていればほぼ安心して往復できる。

 ただしルートは、稜線上の部分と、西側(仙丈岳側)に巻いている部分があるので、霧の中などでは道を外れないように。

・白根御池小屋は、水もふんだんにあり、食堂・トイレなど大変設備の整った小屋。

・北岳肩の小屋は、山頂直下で雨水利用、ピーク時は登山客で混雑する。

 

| ぼっち | 山梨百名山 | 06:33 | comments(0) | trackbacks(0) | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!
赤石山脈に続く山々―甘利山・千頭星山

「日本百高山」のうち、赤石山脈で最後に登り残したのが、北岳の北に派生する尾根にある小太郎山(2,725m)。

せっかくだから、悪天しか知らない北岳に登り直し、その姿が最も立派に見えるというボーコン沢の頭から拝んでもみたい。

―という計画の、時間調整のため前日の8月4日登ったのが、甘利山(1,731m)と千頭星山(2,139m)。

鳳凰三山の稜線が次第に高度を下げて山梨盆地に至る途中にある、いずれも「山梨百名山」でありマス。


甘利山広河原登山口は、韮崎インターからうねうね高度を上げる山道の終点。

ここから甘利山を経由して約2時間で千頭星山に至ることができる。

駐車場の標高が約1,500mなので、甘利山山頂までは、標高差が約200m、徒歩20分あまりのお散歩コース。
霧の中、シカ避けの柵の間の道をもくもく進む。

柵の中で、コウリンカ、シモツケソウ、ハクサンフウロなどが咲き乱れている。

一時期シカの食害でほとんど姿を消していた櫛形山のアヤメ群落が柵のおかげで劇的に復活してきたと聞くから、無粋なんだけど共存のため仕方がないのかも。

 

しばらくするとなだらかな丘状の山頂部が見えてくる。

こんな地味な山がなぜ「山梨百名山」なのかというと、初夏には全山がレンゲツツジの花に覆われるから。シカにとっても有毒なのでこればかりは食害の心配なし。
ゆっくり歩いて25分で甘利山山頂に到着。

円形の付近の山名表示板を見ると、富士山や八ヶ岳、櫛形山などが一望らしい。

山梨県の場合、見晴らしのいい山ならほぼ必ず富士山展望が付いてくるアドバンテージがあるのが、同じ内陸の岐阜県民としては、うらやましくもくやしい。
甘利山を過ぎると、ササ原の登山道が千頭星山(2,139m)に向けて続いている。

サルオガセを下げた風格あるカラマツ林は、櫛形山に似たたたずまい。
奥甘利山を過ぎると、開けたササ原に出る。

晴れれば、見晴らしも雰囲気も明るいんでしょう。
ササ原の急登がしばらく続いて、山中の三叉路に出る。

右手に取れば御所山経由青木鉱泉、左手の尾根をさらに登りつめ、木立の中の千頭星山山頂に到着。鳥の声さえない、静寂の世界。

 

千頭星(せんとうほし)というのは、一風変わった山名だけれど、同じ赤石山脈南部大井川上流にも千頭(せんず)という地名もある。

かつて多くの獣が獲れる狩猟地をさしたことに由来するともいわれる。
山頂からさらに、ササ原の踏み跡は続く。

さびついた古い看板に、甘利山←→南御室小屋と記されている。

2万5千分の1地形図ではルートがないけれど、大馴鹿(おおなじか)峠を経て南御室小屋から鳳凰三山まで登山道が続いていたそう。

南御室小屋かあ―雨が降ると屋根がパランパランと音楽のように響くトタンづくりのあの小屋、懐かしいなあ。。
来た道を引き返し、甘利山登山口に戻ると、平日曇天にもかかわらず、ハイカーの姿がちらほら。

山梨盆地の見晴らしもよさそうだし、四季を問わず県民に愛されている山のようデス。

 

下山後、北岳の登山口広河原行きのバスの出ている奈良田まで移動する途中、葡萄畑の向こうに見える山並み、あのあたりが千頭星山から鳳凰三山に続いていく稜線なんでしょう。
 

 <登山記録>
2017年8月4日(金)  曇・霧 単独行 (…:徒歩、―:車・バス)
自宅3:20―韮崎I.C.ー甘利山広河原登山口8:15…甘利山山頂8:40…奥甘利山山頂9:00…千頭星山山頂10:15~10:25…奥甘利山11:20…甘利山広河原登山口12:00―奈良田温泉14:30(駐車・入浴)15:30―(バス)―広河原16:15 広河原山荘(泊)

 

 

| ぼっち | 山梨百名山 | 17:40 | comments(0) | trackbacks(0) | にほんブログ村 アウトドアブログへ←アウトドアブログのランキングです クリックよろしく!
飛騨山脈西南部大縦走(4)―念願の笠ヶ岳クリヤ谷ルート

岐阜県にある日本百名山10山のうち9山までが県境部に位置する。

他県に接していないのは笠ヶ岳だけ。まさに岐阜県山岳を象徴する名山と言えましょう。

 

笠山頂に至るルートは、笠新道、今回たどった弓折岳からのルート、そしてクリヤ谷ルートの3つ。

そのうち、クリヤノ頭を通り槍見登山口に下りるクリヤ谷ルートは、かつてのメインルートながら、今は利用者がかなり少ない。

最短の笠新道ができたためでもあるけれど、最大の理由は、ルートの最下部にある渡渉点が、増水すると渡渉困難になるため。

長丁場を下り、登山口が近くなって場所で渡渉できず引き返すなんて悪夢は、誰だって避けたいもの。

(ぼっちの場合、ペテガリ岳でそれを経験しちゃいマシタけど。。)

 

しかし、岐阜県を代表する岩場、錫杖岳(2,168m)を巻くようにたどるクリヤ谷コースはダイナミック。

いつかたどりたいと憧れていた。

7月31日(月) 縦走最終日

いよいよこのクリヤ谷コースにチャレンジ。

 

5:20霧の中、笠ヶ岳山荘を出発。

空がかすかに青味を帯びているので、笠ヶ岳の山頂でしばらく待っていると、雲が吹き払われ、背中から朝陽が差した。

雲海に、笠ヶ岳山頂の影が伸び、ブロッケン現象の虹の輪が。
朝陽に力をもらい、元気いっぱいクリヤ谷コースに踏み出す。
岩だらけの急斜面を降り切り、振り返ると、雲が吹き払われ、笠ヶ岳が姿を表した。

Eさんに、その美しき山容を目にしてもらえて何より良かった!
行く手には、雷鳥岩やクリヤノ頭などのそうそうたる岩峰群。

その先には乗鞍岳と御岳。
笠ヶ岳の山頂あたりは、しばらくで雲に覆われてしまったけれど、岩をむき出した斜面が迫力満点。
雷鳥岩などの岩峰群は、西側斜面の巻き道でずっとへつっていく。

ハイマツやナナカマドの繁みは朝露だらけで、レインウエアをはおってもぐっしょり濡れてしまう。
岐阜・富山県境のおだやかな稜線とは変わり、ダイナミックな岩峰群が次々登場。
雲の向こうに、穂高連峰がしばし顔を出す。

このくらいなら、必殺心眼の働かせようもあるってもの。
焼岳と、中尾温泉の集落も見えてくる。

槍・穂縦走の後、焼岳からあの集落まで達成感に満たされながら降りたこともあったっけ。。
クリヤノ頭の直下から、稜線を離れ急降下。

ジグサグの登山道は、ブナやダケカンバのみごとな樹林帯に入り込む。

3度ほどクリヤ谷を渡渉したところで、沢に下りる分岐を発見。

何の立札もないけれど、岐阜県が誇る岩峰、錫杖岳へのアプローチの道だった。

岐阜県きっての難峰・錫杖岳、懐かしいなあ。。
最後の渡渉点は、川幅も広く、雨でも降ろうものなら立ち往生は必至。

割り切って、靴のまま沢をざぶざぶわたり、難関を突破。
あとは、崖崩れ箇所もあるものの、難なく槍見の登山口に到着。

岳人憧れの、槍見館の露天風呂で、4日分の汗を流し、さっぱり。

ふたたび連れ合いが、迎えに来てくれて、スムースに帰宅。

ありがたさいっぱいの大縦走でありマシタ。

 

 

 

<登山記録>
2017年7月31日(月) 曇のち晴 Eさん、botti
笠ヶ岳山荘5:20…笠ヶ岳山頂5:40~6:00…クリヤノ頭下降点9:10…最大の渡渉点(吊橋跡)11:50…槍見温泉登山口12:30(入浴)―(帰途)

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<メモ>

・笠ヶ岳のルートは、3ルートあり、´△録景羚皺浩堯↓はその手前の中尾温泉口槍見館前が登山口。

〆巴擦覆里漏淇憩札魁璽垢如⇔啼司發1時間10分+登山道7時間30分(標準時間なので、以下目安程度で)

 1日で登れる最短な分、笠新道の急登6時間20分のコースタイムが体力差で大きく時間が変動する

比較的楽なのが、小池新道コースで、林道歩き1時間40分+小池新道3時間50分で鏡平山荘泊+弓折岳経由5時間20分

 1泊2日となるが、鏡平の夕暮れの槍ヶ岳、お花畑など見どころは多い

 ただし、鏡平山荘の収容人員が比較的少ないので、規模が大きく快適な双六小屋まで往復+2時間20分足を延ばすのもおすすめ

クリヤ谷コースは、槍見から直登で登り9時間30分、下り6時間50分。

 かつては良く歩かれていたが、クリヤ谷の渡渉が4回ほどあり、特に最下部が大雨などで急に増水することがあり、死亡事故も発生している。特に下山の最後に渡渉できないという事態に無理をすると大変なことになるので、くれぐれも天候等と相談を。

 ただし、岐阜県の名峰(難峰)錫杖岳の取付き点分岐が本ルート沿いにあり、その姿を間近に見られるなど迫力のコース。

 

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飛騨山脈西南部大縦走(3)―双六小屋から笠ヶ岳

7月30日(日) 縦走3日目。

本日は、双六小屋から笠ヶ岳までの計画。

その前に、双六小屋から簡単に往復できる樅沢岳に立ち寄り。

 

樅沢岳は、双六小屋から槍ヶ岳に至る西鎌尾根上のピークで、標高2,755m、日本79番目の高山。

ただし、双六小屋が2,550m地点にあるので、標高差200m程度、裏山に登る気分で往復が可能。

高山植物もあまり見られないハイマツ帯の登り約25分で、三角点のない山頂に到着。

晴れれば、西鎌尾根の先に槍ヶ岳が迫って見えるはずだれど、残念、霧の中必殺心眼も働かない。
往復1時間足らずで双六小屋に帰還。

霧が流れ、樅沢岳の姿がわずかに見えてきた。

「山小屋のそばにある、朝日や夕日を見るのにいい小高い丘」って印象かな。。
双六小屋にデポしておいたザックを背負い、縦走を再開。

これから南に向かう縦走路は、長野との県境を離れ、純粋な岐阜県の領域。

まずは、弓折乗越を通過。ここから小池新道を下ると、槍ケ岳の好展望台鏡平に至る。
弓折乗越から、弓折岳へと登り返す途中、雷鳥の親子を発見。

霧に包まれ天敵から見えにくい条件だからか、のびのびとハイマツの実をついばんでいる。
さらに、もう一組雷鳥の親子を発見。

こちらは、雛が生まれて間もないヒヨコ状態。

小さくて、ハイマツをついばんだりするしぐさがむちゃくちゃかわいいんだけど、岩の色に紛れ、デジカメではなかなかとらえにくい。

まさに保護色なんだな。。

結局1日16羽の雷鳥を目にしたのは、ぼっちの山馬鹿人生でも最多記録。
地図で見ると、弓折岳は、2,592mの最高点と、2,588.5m三角点の位置が離れている。

びっしょり濡れたハイマツをかき分けて最高点に立った後、さらにガサガサ三角点を探索。

探しあぐねて、あきらめかけていたら、結局ごく普通にそれはあった。
さらに3時間ほどもくもく登って抜戸岳山頂(2,812.9m)に。

(画像の大きさは、気分の上げ下げを表現しておりマス。)
抜戸岳からさらに1時間で、抜戸岩に。

その名のとおり巨岩が二つに分かれた間を通過。
抜戸岩まで来ると、笠ヶ岳まではもうわずか。

キャンプ場から先、最後の岩だらけの登りがまだるこしく、長い。
ようやく山頂直下の笠ヶ岳山荘に到着。

雨が降り出しそうなので、ザックを小屋にデポしてさっそく笠ヶ岳山頂をめざす。
3度目の笠ヶ岳、前2回はすこぶる快晴だったんですけどねえ。。
山頂は二つに分かれていて、奥の方に2,897.6mの三角点がある。

ケルンの奥が、明日下山予定のクリヤ谷への下山ルート。

初めて通るルートなので楽しみだけれど、増水すると最後の渡渉点で立ち往生してしまうらしいので、明日の天気が気にかかる。
手前のピークにある祠には槍ケ岳を解散した播隆の祀った仏像のレプリカが納められ、賽銭箱の下の銅板には、

天明2年(1782年)高山宗猷寺の南裔(なんねい)の登頂

文政6年(1823年) 播隆の登頂

明治27年(1894年)イギリス人ウェストンの登頂

といった歴史が刻まれている。

また、半ば伝説ではあるけれど、播隆の著した「迦多賀嶽再興記」などによれば、天和3年(1683年)に、わが敬愛する円空が初登頂したともされる。

若かりし日に登った時は気にも留めなかった祠の前にじっと立ち尽くす。
笠ヶ岳の小屋に戻って、ちびちびウイスキーなんか飲んでいると、雨が降り出した。

早めに山頂に行っておいてよかった。。
前夜泊まった双六小屋のスタッフの応対もしっかりしていたけれど、笠ヶ岳山荘の若いスタッフたちも負けず劣らず的確かつてきぱきとしていて気持ちがいい。

(農*小屋の親父さんにも少し見習っていただければ幸い。)

おいしく夕飯をいただいた後、明日の厳しそうなクリヤ谷コースの下山に備え早めに就寝。
 <登山記録>
2017年7月30日(日) 霧時々雨 Eさん、botti
双六小屋5:30…樅沢岳5:55…双六小屋6:20~6:50…弓折乗越8:00…弓折岳8:45…抜戸岳12:00…抜戸岩13:00…笠ヶ岳山荘13:40…笠ヶ岳14:00…笠ヶ岳山荘14:15(泊)

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飛騨山脈西南部大縦走(2)―北ノ俣岳黒部五郎岳三俣蓮華岳双六岳

7月29日 大縦走2日目。

本日の行程は、北ノ俣避難小屋から、北ノ俣岳、赤木岳、黒部五郎岳、三俣蓮華岳、双六岳のピークを極めて、双六小屋に至る、コースタイム11時間あまりの長丁場。

途中雷にでも遭ったら、縦走が完遂できなくなる正念場。

早朝4:15北ノ俣避難小屋を出発。

ヘッドライトを頼りに木道を進むうち、ようやく夜が白んできた。
1.5劼曚匹量敍司發が終わると、ハイマツ帯の登り。

小屋から600mあまり、もくもくと標高をかせぐ。
ようやく主稜線に合流。

有峰登山口から槍ヶ岳に至る縦走路は「西銀座ダイヤモンドコース」とかいうそう。

(←この命名センス、関西人かな?)

今年はもう盛りを過ぎたかと思っていた白いチングルマの群落に出会えてうれしい。桃色はコイワカガミ。

次第に霧が濃くなっていく。
北ノ俣岳の山頂部は細長い形をしており、手前(西側)のピークに山林局の主三角點、奥のピークに国土地理院の三等三角点(2,661.3m)がある。

北ノ俣岳は岐阜県側の北ノ俣沢にちなむ山名。富山県側は上ノ岳と呼んでいたそう。

残念ながら山頂から展望は得られなかった。
山頂を後に、赤木岳(2,622m)を通過、黒部五郎岳をめざして進んでいると、雲が去り、残雪の北ノ俣岳、そしてその奥に薬師岳が山容を現す。

赤木岳は、北ノ俣岳山頂と約1劼靴離れていないから、単独の山として評価はしにくいな―なんて「『岐阜百名山』勝手に選定委員は、霧の晴れ間に必死でチェック。
いったん標高約2,450mの中俣乗越まで下った後にはじまる、黒部五郎岳への登りは、石が不安定にごろごろして、なかなか登りづらい。

ちなみに「五郎」とは、岩がごろごろした場所をさす言葉で、黒部村の岩ごろごろの山が黒部五郎岳、野口村のそれが野口五郎岳で、いずれも富山側の呼び名、岐阜県側では中ノ俣岳と呼ばれる。

西側から遠望すると、北ノ俣岳とあまり変わりのない台形の大きな山に見えるけど、稜線に至ると内側(東北側)は大きくえぐられているのが目の当たりになる。これが有名な黒部五郎岳の圏谷(カール)。
カールに下りる分岐に荷物をデポし、ゴロゴロ岩だらけの黒部五郎岳山頂(2,840m)に到着。

三等三角点、不動明王の石仏のおさめられた石祠がある。

この山頂も展望なし。
分岐に戻り、氷河の跡である圏谷の底に下りていく。

残雪の斜面には、チングルマ、ハクサンイチゲなどの大規模なお花畑が展開。
圏谷の底に降り立つと、モレーン(堆石)と呼ばれる、かつて氷河に押し流されてきた大岩がごろごろし、その下を雪解けの清冽な水が流れていく。

薬師岳の圏谷も大規模で有名だけど登山道は稜線にしかないから、谷の内部に立ちじっくり観察できるのは貴重。
黒部五郎岳から圏谷を経て黒部五郎小舎まで下る道も長くてなかなかしんどい。

次の三俣蓮華岳までは、また2時間以上の登り。

ひとまずガスボンベでお湯を沸かし、カップ麺の昼食でゆっくりし再出発。

どうなることか、めげかけていたけど、登山道に不安定なごろごろ岩がなくなり案外快調に進むことができる。

単独行じゃなく、話好きのEさんとご一緒なのも気が紛れてありがたいな。。
霧の中、三等三角点と主三角點が並ぶ三俣蓮華岳に到着。

三俣蓮華岳山頂には以前2度ほど立っているけれど、いずれもすこぶる快晴で、山頂の展望は圧倒的だった。

奥美濃の山のベテランながら飛騨山脈は数回しか脚を運ばれたことのないEさんに、「晴れれば展望はすごいんですよ」なんて、ご説明を繰り返すのも野暮な感じ。。
予定より遅れてきたのを気にしつつ、次は双六岳へ。

途中、ピンク色のハクサンチドリの大きな群落に出会えたのが励みになるな。。
15:55双六岳山頂に到着、ここも展望なし。

山上はわずかに草が生えるばかりの岩屑の平原上で、少し下ると岩の斜面になる。
降りきったところで三俣山荘方向からの登山道と合流。

結局何度振り返っても、双六岳の山容は確認できなかった。

「勝手に選定委員」としては、公正な評価のため、三俣蓮華岳と双六岳は再訪しなくちゃならないなと覚悟。
16時45分、ようやく双六山荘に到着。

結局1日約12時間歩行となった。

霧雨にぐっしょり濡れた合羽を乾燥室に干し、缶ビールを飲み干すと、生き返った気分。

 

<登山記録>
2017年7月29日(土) 曇・霧夕方雨 Eさん、botti
北ノ俣避難小屋4:15…北ノ俣岳6:10…赤木岳7:00…黒部五郎岳9:30…黒部五郎小舎11:45~12:15…三俣蓮華岳14:15…双六岳15:55…双六小屋16:45(泊)

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飛騨山脈西南部大縦走(1)―飛越トンネルから寺地山へ

飛騨山脈―北アルプスというと、まずは白馬連峰から穂高連峰へと南北につながる山々をイメージされるかも。

しかし、その西に立山連峰があるのはもちろん、黒部五郎岳に代表される富山・岐阜県境の山並みがあり、長野を加えた3県の県境三俣蓮華岳から、槍・穂高連峰に並行した笠ヶ岳への稜線がある。

今年の夏は、そのうち、富山・岐阜県境の稜線から笠ヶ岳に至る飛騨山脈西南部の大縦走を計画。

 

縦走ルートには、寺地山、北ノ俣岳、赤木岳、黒部五郎岳、三俣蓮華岳、双六岳、弓折岳、抜戸岳、笠ヶ岳などが連なり、「『岐阜百名山』勝手に選定委員」としてもチェックポイント多し。

気を張って、7月28日〜31日3泊4日の大縦走に出発 (ロ。ロ)/オウ

 

 

 

今回のパートナーは、井出ノ小路山でもご一緒した、地元山の会きっての健脚の持ち主、Eさん。

よろしくお願いしマス。

 

登山口は、岐阜・富山県境の飛越トンネル。

7月生まれのぼっちの誕生プレゼントとして、連れ合いがはるばる送り届けてくれた。

ありがとう、それでは行ってきマス!
標高約1,450mのトンネルの岐阜県側入口脇から県境稜線に入り、まずは寺地山(1,996m)をめざす。

登山道はコメツガやクロベなどのすばらしい針葉樹林に包まれている。

飛騨山脈の信州側は、山岳美には優れるけど、里に接していることと中央高地式気候で降水量が少ないことから、樹林帯は案外貧弱なことが多い。

飛騨山脈西南部ならではの深い森をしみじみ味わいながら登高。
1,842m地点で神岡新道と合流。

かつての飛騨側からのメイン入山ルートは、より標高の高い飛越トンネルからのルートができてあまり使われなくなったようで、「草刈りをしていないので通行注意」の立札があった。
やがて、豪雪高山帯を代表するオオシラビソの樹林帯に入ると、登山道はぬかるみ状態となり、大きな葉を広げたミズバショウが道に覆いかぶさっている。

さらに進むと、ニッコウキスゲやワタスゲの揺れる小規模な高層湿原がいくつも展開。

静けさに満ちた世界、だけど長靴ほしい。。
登山口から約3時間半で、やや丈の低いオオシラビソとササに覆われた寺地山山頂に到着。

丸黒山でお目にかかった明治時代の農商務省山林局の主三角點が、ここにも登

場。
見晴らしのきかない寺地山山頂から少し下りかけると視界が開け、北ノ俣岳(2,662m)がおおらかな姿を現す。

右肩に重なって見えるのが赤木岳(2,622m)のよう。
寺地山から1時間ほどで森林限界を越え、北ノ俣岳の大規模な高層湿原に入る。

木道が現れ、ようやくぬかるみから脱出。

振り返ると、寺地山が丸い頭を見せている。
木道の分岐に入り、徒歩数分で今夜の宿、北ノ俣避難小屋にたどり着く。

収容人員は6名くらい、老朽化してやや傾き、階段が朽ちたりしている。

しかし、小屋のすぐ前に水が引かれ、水洗屋外トイレがあってなかなか快適。

何とか維持していただきたいもの。
縦走の鉄則は、小屋やテントでくつろいでしまう前に、明日のルートを確かめておくこと。

翌日が早立ちの時や、天気が心配な時はなおさら。
木道の終点間際まで進むと、いくつもの池塘が散らばり、ワタスゲが揺れている。

静かな夕暮れのひととき。

 

小さな避難小屋はほかにもお客さんが来て定員オーバーしないか心配だったけど、さすが平日、われわれ以外宿泊者はなし。

小屋の前の水場で冷やしておいた缶ビールやキュウリなどで、ゆったり酒盛り。
<登山記録>
2017年7月28日(金) 曇時々晴れ間 Eさん、botti
自宅5:00―飛越トンネル飛騨側9:20…神岡新道合流点11:30…寺地山山頂12:40~12:50…北ノ俣避難小屋13:50(泊)

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<メモ>
・寺地山は、および北ノ俣岳の登山口となる飛越トンネルへは、岐阜県飛騨市からか、富山県有峰林道から向かう。

 有峰林道はよく整備されているが、有料かつ夜間通行禁止なので注意。
・寺地山までの登山道は、草刈りなど手は入っているが、高層湿原を行くためつねにぬかるんでいる。

 寺地山往復なら、長靴という手もある。
・北ノ俣避難小屋は、飛騨山脈でも最も素朴なところが好ましいが。老朽化が進んでおり、定員も限られるので注意。

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